砂道すなみち)” の例文
ひるた、さか砂道すなみちには、あをすすき、蚊帳かやつりぐさに、しろかほの、はま晝顏ひるがほぶたを薄紅うすべにそめたのなどが、まつをたよりに、ちらちらと、幾人いくたりはなをそろへていた。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
り減りし敷石は白き砂道すなみちつらなりて
翌日よくじつあめ晴間はれまうみく、箱根はこねのあなたに、砂道すなみち横切よこぎりて、用水ようすゐのちよろ/\とかにわたところあり。あめ嵩増かさまながれたるを、平家へいけ落人おちうどすさまじきたきあやまりけるなり。りてづく、また夜雨よさめたき
逗子だより (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
なにか、自分じぶんなか一切すべてのものに、現在いまく、悄然しよんぼり夜露よつゆおもツくるしい、白地しろぢ浴衣ゆかたの、しほたれた、ほそ姿すがたで、かうべれて、唯一人たゞひとり由井ゆゐはまつうずる砂道すなみち辿たどることを、られてはならぬ
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)