眞直まつす)” の例文
新字:真直
椅子いすりるとき、身體からだ眞直まつすぐになつたので、視線しせん位置ゐち天井てんじやうから不圖ふと庭先にはさきうつつたら、其所そこにあつたたかさ五しやくもあらうとおほきな鉢栽はちうゑまつ宗助そうすけ這入はいつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
これでもびるかとおさへるやうな仕方しかたに、へて眞直まつすぐにびたつこと人間にんげんわざにはかなふまじ、いていてつくくして、うつたへたいにもちゝこゝろかねのやうにえて、ぬるぱいたまはらんなさけもなきに
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
はゞせま黒繻子くろじゆすらしいおびひくめにめて、むね眞直まつすぐにてて、おとがひ俛向うつむいて、額越ひたひごしに、ツンとしたけんのあるはなけて、ちやうど、わたしひだり脇腹わきばらのあたりにすわつて、あからめもしないとつたふう
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)