白刄しらは)” の例文
「これでまいる! 素手は素手ながら三河ながらの直参旗本、早乙女主水之介が両のこぶし真槍しんそう白刄しらはよりちと手強てごわいぞ。心してまいられい…」
白刄しらはの中をもおそれぬ氣魄きはく正義觀せいぎくわんのあつた者を、當初はじめは立ててきたのであらうが、總稱して、姐御とは親分のおかみさんをさすことになり
凡愚姐御考 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
身を楯にかばいながら白刄しらはの光をあちらこちらとけましたが、とうとうお柳は乳の下を深く突かれて、アッという声に、手負ておいながら幸兵衛は
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
吾助は得たりと太刀たち振上ふりあげたゞ一刀に討たんとするやお花は二ツと見えし時友次郎がえいと打たる小柄こづか手裏劍しゆりけんねらたがはず吾助が右のひぢに打込みければ忽ち白刄しらは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いやはなしませぬはなされませぬおまへさまころしては旦那だんなさまへみませぬといふはまさしく勘藏かんざうか、とおたかことばをはらぬうちやみにきらめく白刄しらは電光いなづまアツと一聲ひとこゑ一刹那いつせつなはかなくれぬ連理れんり片枝かたえは。
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
白刄しらはあてなん刹那せつな
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
見廻し拔放ぬきはな元末もとすゑ倩々つく/″\ながめ是ぞ此身のえてつゆ白刄しらはと成けるが義理ぎりある養父やうふ忠々敷まめ/\しきの久八を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
引倒そうとする糞力に幸兵衛はかないませんから、して居ります紙入留かみいれどめの短刀を引抜いて切払おうとする白刄しらはが長二の眼先へひらめいたから、長二もぎょッとしましたが
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
案じゐるよしたしかに知たる忠相ぬしひとりつく/″\思ふ樣お光は奇才きさい容貌ようばうとも人にすぐれしのみならず武士の眞意しんいを能くわきま白刄しらはふるつて仇をたふすに其父もまた清廉せいれんにて是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
女の身として鉄砲で打殺すとは、敵同士の寄合、これも皆因縁だ、此の惣吉殿のいう事を聞けば聞く程脊筋へ白刄しらはを当てられるよりなお辛い、アヽ悪い事は出来ないものだと、再び油の様な汗を流して
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)