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画策
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かくさく
ふりがな文庫
“
画策
(
かくさく
)” の例文
旧字:
畫策
そこに見られるあの女性的な繊細な美は、高麗人それ自身の情想の偽りない表現であって、特殊な意識的
画策
(
かくさく
)
から成ったものではない。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
本能寺以後、光秀の
画策
(
かくさく
)
は事ごとにうまく運んでいなかったことがわかる。またそれは人智人力を越えた微妙のものであることも
頷
(
うなず
)
ける。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは然うとして、僕と文一君は
断金
(
だんきん
)
の友である。相互援助法を用いて
種々
(
いろいろ
)
画策
(
かくさく
)
するばかりでなく、
好
(
い
)
いことも始終一緒にやる。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
昨年の夏にも、北さんと中畑さんとが相談して、お二人とも故郷の長兄に怒られるのは覚悟の上で、私の十年振りの帰郷を
画策
(
かくさく
)
してくれたのである。
故郷
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
而
(
しこう
)
して彼が九
顛
(
てん
)
十起、
堅忍
(
けんにん
)
不抜
(
ふばつ
)
、いよいよ窮していよいよ
画策
(
かくさく
)
し、いよいよ
蹶
(
つまず
)
きていよいよ奮うに至っては、恐らくは十の松陰あるも、また及ぶ所無けん。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
▼ もっと見る
赤穂
(
あこう
)
の城を退去して以来、二年に近い月日を、
如何
(
いか
)
に彼は焦慮と
画策
(
かくさく
)
との
中
(
うち
)
に、
費
(
ついや
)
した事であろう。
或日の大石内蔵助
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「金子君、君はここを出たいといろいろ
画策
(
かくさく
)
しているそうだが、それはほんとうかね」
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
一と目みれば園長のものだ位は判りそうなものを
何故
(
なにゆえ
)
口を閉めていたのか、嫌な眼付で帆村を覗いたところと云い、ひょっとしたら西郷がすべてを
画策
(
かくさく
)
し、嫌疑が鴨田にかかるように
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
イギリスも便利と
庇護
(
ひご
)
を計ってしかるべきだが、これは、フランスからあらかじめ依頼があって、ちゃんと
手筈
(
てはず
)
ができていたので、すべてはフランス密偵部第二号の
画策
(
かくさく
)
だったのである。
戦雲を駆る女怪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
こんな不便な郊外で、電話も無いような住居では、何の事業を
画策
(
かくさく
)
することも出来ないというのが兄の宿屋通いの趣意であるらしかった。子供等も学校へ出掛けた後で、家の内は静かになった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そこには、お
三輪
(
みわ
)
と
乙吉
(
おときち
)
が、預けられていた。そして
常木鴻山
(
つねきこうざん
)
は、居所もさだめず、何かの
画策
(
かくさく
)
のため、
奔走
(
ほんそう
)
しているという。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あるいは欧洲において、同志を
糾合
(
きゅうごう
)
して、「少年
欧羅巴
(
ヨーロッパ
)
」党を組織し、あるいは本国において、
蜂起者
(
ほうきしゃ
)
を募り、以て恢復の途を
拓
(
ひ
)
らき、その
画策
(
かくさく
)
の神秘、大胆、危険、雄放なる
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
「君が知っているところを見ると、社長は矢張りこの室で
画策
(
かくさく
)
するんだね」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それより、ずっと前、旦那どのは、大体の
輪廓
(
りんかく
)
を知ったので、憎むべき二人に対して、どんな
復讐
(
ふくしゅう
)
をしようかと、
画策
(
かくさく
)
した。その結果、考え出したのは、世にも恐ろしい二人の
自滅
(
じめつ
)
計画だった。
夜泣き鉄骨
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
凡てのこれらの性質は、大津絵を
画策
(
かくさく
)
や作為や技巧の病いから救ったのである。凡てが自然さの上に生い立っている。画工たちはそれらの驚くべき絵において、極めて無心であり得たのである。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
幕府を
仆
(
たお
)
そうと
謀
(
たく
)
んでいることは本心になる——などという
讒言
(
ざんげん
)
を、直々にいわせようと、あらゆる
画策
(
かくさく
)
に怠りない様子であるとか告げている。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かれは今、世阿弥の残した秘財と、美しいその息女とに、
色慾
(
しきよく
)
の
二道
(
ふたみち
)
かけて、さまざまな
画策
(
かくさく
)
をやりぬいている最中だ。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「暴とはいえ、光秀の
乾坤一擲
(
けんこんいってき
)
は、ひとまず図に
中
(
あた
)
ったかたちですが、このまま、うまく後の
画策
(
かくさく
)
がすすむでしょうか」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
で、ここ北ノ庄は、その予備工作に向って、八方
画策
(
かくさく
)
の秘策を施しつつ冬に入ったのであった。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
中西を中心として、従前から村重にあきたらなかった伊丹兵庫頭やその次男の伊丹亘などが、さきに脱城した権藤亥十郎などと連絡して、何事か
画策
(
かくさく
)
しているらしいのである。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、義元の上洛をしおに、
画策
(
かくさく
)
する動きもないではなかったが、元康はゆるさなかった。そして、
唯々
(
いい
)
として命を奉じ、ふたたび前線へ出て、
丸根砦
(
まるねとりで
)
の
手強
(
てごわ
)
い敵を攻撃していた。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
画策
(
かくさく
)
していたものが、毛利家より機先を制され、かえって、播州を固めさせ、敵に
防御
(
ぼうぎょ
)
のいとまを与えたことは、何としても残念であると、書状を以て、またまた、申して参りました
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大炊
(
おおい
)
はすべてが、自分の
画策
(
かくさく
)
であるかのように誇って話した。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
画
常用漢字
小2
部首:⽥
8画
策
常用漢字
小6
部首:⽵
12画
“画”で始まる語句
画
画家
画工
画布
画餅
画師
画筆
画舫
画帖
画板