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無代
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たゞ
ふりがな文庫
“
無代
(
たゞ
)” の例文
出した湯の持主が隅へ小さくなツて
何處
(
どこ
)
の者か知れぬ奴が
無代
(
たゞ
)
で巾を利かせて歌など唄ツて騷ぐとはエライ話しだと不平を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
こんな事を
無代
(
たゞ
)
で見ず知らずの他人に聞かせるのは惜しいやうなものだが、何事も親切にしなければならぬ世間だから。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
願はくば、消滅した國立劇場の如く、
無代
(
たゞ
)
ともゆくまいが、安くしてください。但し俳優高級論とは一致しまいが——
むぐらの吐息
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
山「じゃア一寸知らせて下さい、別にお礼の致し方は無いが、あなたの非番の時に
無代
(
たゞ
)
療治をして、
好
(
い
)
い茶を
煎
(
い
)
れて菓子を上げる位の事は致しますから」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「かう
他
(
ほか
)
の税が高いんやもん、天滿山官林の松茸ぐらゐ、
村方
(
むらかた
)
へ
無代
(
たゞ
)
呉れたて
可
(
よ
)
さゝうなもんや。それを一兩でも高う賣らうと、競り上げるのは、官も慾が深すぎる。」
太政官
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
▼ もっと見る
其日一日物も仰せられず、一日おいてよりは箸の上げ下しに、
此家
(
このや
)
の品は
無代
(
たゞ
)
では出來ぬ、主の物とて粗末に思ふたら罰が當るぞえと明け暮れの談義、來る人毎に告げられて若き心には恥かしく
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
作るのは大分の入費で
夫
(
それ
)
は村から出し合て誰でも
無代
(
たゞ
)
で
入
(
い
)
れますのだが此頃新道を作る人足が大勢
入
(
はい
)
り込んで
宜
(
い
)
い湯治塲へ行た氣で
無代
(
たゞ
)
で湯へ
入
(
はい
)
り其上威張散して喧嘩を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
などと
無代
(
たゞ
)
遣
(
や
)
つたり
何
(
なに
)
かいたし誠にお
品格
(
ひんかく
)
の
好
(
よ
)
い事でござりました。
是
(
これ
)
は
円朝
(
わたくし
)
が全く
其
(
そ
)
の
実地
(
じつち
)
を見て
胆
(
きも
)
を
潰
(
つぶ
)
したが、
何
(
なん
)
となく
可笑味
(
をかしみ
)
がありましたから一
席
(
せき
)
のお話に
纏
(
まと
)
めました。
士族の商法
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この頃竹内栖鳳氏の
画
(
ゑ
)
がづば抜けて値が高いので、栖鳳氏の
許
(
とこ
)
へは取り替へ引き替へ色々の事を言つて、
無代
(
たゞ
)
の画を
描
(
か
)
かしに来る者が多いといふ事だ。
先日
(
こなひだ
)
もこんな事があつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
其日
(
そのひ
)
一
日
(
にち
)
物
(
もの
)
も
仰
(
おほ
)
せられず、一
日
(
にち
)
おいてよりは
箸
(
はし
)
の
上
(
あ
)
げ
下
(
おろ
)
しに、
此家
(
このや
)
の
品
(
しな
)
は
無代
(
たゞ
)
では
出來
(
でき
)
ぬ、
主
(
しゆう
)
の
物
(
もの
)
とて
粗末
(
そまつ
)
に
思
(
おも
)
ふたら
罸
(
ばち
)
が
當
(
あた
)
るぞえと
明
(
あ
)
け
暮
(
く
)
れの
談義
(
だんぎ
)
、
來
(
くる
)
る
人
(
ひと
)
毎
(
ごと
)
に
告
(
つ
)
げられて
若
(
わか
)
き
心
(
こゝろ
)
には
恥
(
はづ
)
かしく
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
婆「其の代り
無代
(
たゞ
)
で宜うがんす、口を
打欠
(
ぶっけ
)
えて
種子
(
たね
)
え投込んで、
担
(
のき
)
へ釣下げて置きましたから、銭も何も
要
(
い
)
らねえもんでごぜえますが、
思召
(
おぼしめし
)
が有るなら十六文でも廿四文でも戴きたいもんで」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
無代
(
たゞ
)
ぢや見せないや、こゝに書いてある僕の名を読んだら見せる。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
代
常用漢字
小3
部首:⼈
5画
“無代”で始まる語句
無代価
無代償