沸湯にえゆ)” の例文
四角にきった豆腐の真中まんなかさじの先でくり抜いてその中へ玉子の黄身のザット湯煮ゆでたのを落してそれをそうっと沸湯にえゆで湯煮て別にくずの餡を
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
とツカ/\と立ち戻って来て、脇に掛って有った薬鑵やかんを取って沸湯にえゆを口から掛けると、現在我が子與之助の顔へ掛ったから、子供は
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
茶釜をあふれた沸湯にえゆが、炭火の上に落ちてチューと言った音で米友は眼をましましたが、すぐにまた漕ぎはじめてしまいました。
沸湯にえゆを浴びた、その時、(——男を一人助けて下さい。……見継ぎは、一生する。)——両手をついて、言ったんですって。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二種ふたいろくはゆるゆゑ如何程おも癲癇てんかんなりともたゞ一二服を服用すれば忽地たちまち全快なさんことしも沸湯にえゆを注ぐに等き世にも怪有けうなる奇劑きざいなるは是迄夥多あまたの人に用ゐ屡々しば/\功驗こうけん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
岩石、材木、沸湯にえゆ——糞泥ふんでいまでを、執念ぶかいその敵に浴びせかけた。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
上等にしますと三寸位の山葵なら一合の沸湯にえゆいで、固くふたをしておく事が一時間、そうすると山葵の辛味がすっかりお湯へ出ます。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
一人ひとりはふしていたところで、留守るすやまからさるて、沸湯にえゆ行水ぎやうずゐ使つかはせる憂慮きづかひけつしてないのに、たれかついてらねばとなさけから、家中うちぢう野良のらところを、よめ一人ひとりあとへのこして
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
第八 玉子トース は玉子二つを沸湯にえゆの中へ割って落して半熟になった時しずかすくい上げてトースパンの上へ載せます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
ぬまからなん沸湯にえゆる。』
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それから今の身を塩から出してよく洗って沸湯にえゆの中へ入れてサット湯がいてよく水気を切て布巾ふきんで堅くしぼる。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
最初生のまま細かく切って沸湯にえゆへザット入れて一度沸上にえあがったら直ぐ出してブラウンソース即ちバターでメリケン粉を黒くなるまでいためてスープを注して味を付けたもので火を
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
手軽なのは生レモン一つのつゆを絞って砂糖を混ぜて沸湯にえゆぎます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
赤茄子あかなすのサンドウィッチは大層結構ですが、毎度お話に出るマイナイソースを少し固く拵えてパンへ塗って生の赤茄子へ沸湯にえゆをかけて丸のまま皮をいて薄く切ってパンの間へ挟んで小さく切ります。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)