此話このはなし)” の例文
著者ちよしやはじ此話このはなし南洋傳來なんようでんらいのものではあるまいか、とうたがつてみたこともあるが、近頃ちかごろ研究けんきゆう結果けつか、さうでないようにおもはれてたのである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
此話このはなし雪国の人すらしんじがたくおもへども、つら/\思量おもひはかるに、十月の初雪より十二月廿五日までおよその日数ひかず八十日のあひだに五尺づゝの雪ならば、廿四丈にいたるべし。
(註。最初さいしよ此話このはなし芝居話しばゐばなしでしたがおくまの弾丸たまをのがれてのせりふしるして置きます、)
代助は此話このはなしを聞いた時、その実社会に触れてゐる点に於て、現代的滑稽の標本だと思つた。平岡はそれから、幸徳秋水と云ふ社会主義のひとを、政府がどんなに恐れてゐるかと云ふ事を話した。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
里見弴さとみとんさんが、まだ本家ほんけ有島ありしまさんになすつた、お知己ちかづきはじめころであつた。なにかの次手ついでに、此話このはなしをすると、にはいけにはいくらでもいてる。……そんなにきなら、ふんづかまへてげませう。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「不思議だね。」とばかりで、父は此話このはなしを余り好まぬらしい。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
人手ひとでわたさるゝ事さぞかし殘念ざんねんなるべし然らば我等其五百兩は用達ようだち申べしれども今度このたび金子きんす出來でき次第しだい百兩にても五十兩にても御返濟ごへんさいなされよ利分は取り申さず金子相濟あひすみ次第に證文は返却へんきやく致すべけれどもまづ證文しようもんあづかおき申べし其地面人手ひとでわたさるゝが氣の毒にぞんずる故なりお常殿にも此話このはなし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)