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揉合
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もみあ
ふりがな文庫
“
揉合
(
もみあ
)” の例文
川留
(
かわどめ
)
か、火事のように
湧立
(
わきた
)
ち
揉合
(
もみあ
)
う群集の黒山。中野行を待つ右側も、品川の左側も、二重三重に人垣を造って、線路の上まで
押覆
(
おっかぶ
)
さる。
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
翁はこれをかいやり棄てて、なほも王を引寄せむとするに、王はふりかへりて組付き、かれこれたがひに声だに立てず、暫し
揉合
(
もみあ
)
ひたり。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
然
(
さ
)
らば、然らば、を双方で言つて
終
(
しま
)
つたから、論は無い、後は
斫合
(
きりあ
)
ひだ。
揉合
(
もみあ
)
ひ押合つた末は、玄明の
手引
(
てびき
)
があるので将門の方が利を得た。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
と
遁出
(
にげだ
)
すのを、もう是までと覚悟を決めて引戻す長二の手元へ、お柳は
咬付
(
かみつ
)
き、刄物を
奪
(
と
)
ろうと
揉合
(
もみあ
)
う中へ、
踉
(
よろめ
)
きながら幸兵衞が割って入るを、お柳が気遣い
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わたくし
)
も
之
(
これ
)
には
頗
(
すこぶ
)
る
閉口
(
へいこう
)
したが、どつこひ
待
(
ま
)
てよ、と
踏止
(
ふみとゞま
)
つて
命掛
(
いのちが
)
けに
揉合
(
もみあ
)
ふ
事
(
こと
)
半時
(
はんとき
)
ばかり、
漸
(
やうやく
)
の
事
(
こと
)
で
片膝
(
かたひざ
)
を
着
(
つ
)
かしてやつたので、
此
(
この
)
評判
(
へうばん
)
は
忽
(
たちま
)
ち
船中
(
せんちゆう
)
に
廣
(
ひろ
)
まつて、
感服
(
かんぷく
)
する
老人
(
らうじん
)
もある
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
万平は拾わせまいとして又
揉合
(
もみあ
)
った。
芝居狂冒険
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
あと三個も、補助席二脚へ
揉合
(
もみあ
)
って乗ると
斉
(
ひと
)
しく、肩を組む、頬を合わせる、耳を
引張
(
ひっぱ
)
る、
真赤
(
まっか
)
な
洲浜形
(
すはまがた
)
に、鳥打帽を押合って騒いでいたから。
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
けれども、
午飯
(
ひる
)
のお
誂
(
あつらえ
)
が持出されて、湯上りの二人と向合う、
鯒
(
こち
)
のあらいが氷に乗って、
小蝦
(
こえび
)
と胡瓜が
揉合
(
もみあ
)
った処を見れば無事なものです。しかも
女連
(
おんなれん
)
はビイルを飲む。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ただ夫人は
一夜
(
ひとよ
)
の内に、
太
(
いた
)
く
面
(
おも
)
やつれがしたけれども、
翌日
(
あくるひ
)
、伊勢を去る時、
揉合
(
もみあ
)
う
旅籠屋
(
はたごや
)
の客にも、陸続たる道中にも、汽車にも、かばかりの美女はなかったのである。
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いが餅、饅頭の大づつみを、
山媽々
(
やまあば
)
の籠の如くに抱いて戻ると、来合わせた電車——これが人の瀬の汐時で、波を
揉合
(
もみあ
)
っていますのに、晩飯前で腹はすく、寒し……大急ぎで乗ったのです。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
櫓
(
ろ
)
づかいをあせる船頭の様子も
仔細
(
しさい
)
ありげで、
夜
(
よ
)
は深し、潮も満ちて不気味千万、いい合わせたように膝を
揉合
(
もみあ
)
い、やみを
透
(
すか
)
すと、心持、大きな片手で、首尾の松を拝んだような船の舳に、ぼっと
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
揉
漢検1級
部首:⼿
12画
合
常用漢字
小2
部首:⼝
6画
“揉”で始まる語句
揉
揉手
揉上
揉込
揉烏帽子
揉事
揉消
揉立
揉潰
揉療治