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捩
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ひね
ふりがな文庫
“
捩
(
ひね
)” の例文
彼自身さえ、この二つの非難の
何
(
いず
)
れかを聞いた時、そうかも知れないと、腹の中で首を
捩
(
ひね
)
らぬ訳には行かなかった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
岸
(
きし
)
の
上
(
うへ
)
に
集
(
あつ
)
まつた一
隊
(
たい
)
は、それこそ
滑稽
(
こつけい
)
で
觀物
(
みもの
)
でした——
鳥
(
とり
)
の
諸羽
(
もろは
)
は
泥塗
(
どろまみ
)
れに、
動物
(
けもの
)
は
毛皮
(
もうひ
)
と
毛皮
(
もうひ
)
と
膠着
(
くツつ
)
かんばかりに
全濡
(
びしよぬれ
)
になり、
雫
(
しづく
)
がたら/\
落
(
お
)
ちるので
體
(
からだ
)
を
横
(
よこ
)
に
捩
(
ひね
)
つて
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
知らぬ子供あまたおもしろげに我めぐりを馳せ𢌞りて、燭涙の地に墜ちて凝りたるを拾ひ、
反古
(
ほご
)
を
捩
(
ひね
)
りて作りたる筒に入れたり。我等が行くは、きのふ祭の行列の
過
(
よぎ
)
りし街なり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
これのみは余りに深く我心に
彫
(
ゑ
)
りつけられたればさはあらじと思へど、今宵はあたりに人も無し、
房奴
(
ばうど
)
の来て電気線の鍵を
捩
(
ひね
)
るには猶程もあるべければ、いで、その概略を文に綴りて見む。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
それがだん/\練れて來ると、もう足音なんぞは聞えなくとも、人さへ通れば、眼の球の方が先きにそれを知つて、
背後
(
うしろ
)
向きに坐つてゐても、くるりと首を
捩
(
ひね
)
つて、往來を見るやうになつた。
石川五右衛門の生立
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
▼ もっと見る
「はい。」と、おくみは立つて出て、上り口の電燈を
捩
(
ひね
)
つた。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
然るに原口さんが突然
首
(
くび
)
を
捩
(
ひね
)
つて、女に
何
(
ど
)
うかしましたかと
聞
(
き
)
いた。其時三四郎は、少し
恐
(
おそ
)
ろしくなつた位である。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼
(
かれ
)
自身さへ、此二つの非難の
何
(
いづ
)
れを
聞
(
き
)
いた時に、
左様
(
さう
)
かも知れないと、
腹
(
はら
)
の
中
(
なか
)
で
首
(
くび
)
を
捩
(
ひね
)
らぬ
訳
(
わけ
)
には
行
(
い
)
かなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
すると白い着物を着た大きな男が、自分の
後
(
うし
)
ろへ来て、
鋏
(
はさみ
)
と
櫛
(
くし
)
を持って自分の頭を眺め出した。自分は薄い
髭
(
ひげ
)
を
捩
(
ひね
)
って、どうだろう物になるだろうかと尋ねた。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ところが会議の席では案に
相違
(
そうい
)
して
滔々
(
とうとう
)
と生徒
厳罰論
(
げんばつろん
)
を述べたから、おや変だなと首を
捩
(
ひね
)
った。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
用のある時だけ使う事にしてある玄関先の電灯のスウィッチを
捩
(
ひね
)
る音が明らかに聞こえた。
格子
(
こうし
)
がすぐがらりと開いた。入口の開き戸がまだ
閉
(
た
)
ててない事はたしかであった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「さあどうぞ」と云いながら、どこかぴちりと
捩
(
ひね
)
って、電気灯を
点
(
つ
)
けた。それから
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「さあ
何
(
ど
)
うぞ」と
云
(
い
)
ひながら、
何所
(
どこ
)
かぴちりと
捩
(
ひね
)
つて、
電氣燈
(
でんきとう
)
を
點
(
つ
)
けた。それから
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
捩
漢検1級
部首:⼿
10画
“捩”を含む語句
捩上
逆捩
捩込
捩向
捩子
引捩
捩放
捩伏
捩取
捩斷
觀世捩
豆捩
観世捩
襞襀捩
紙捩
棒捩
一捩
関捩
捩螺
捩曲
...