手數てかず)” の例文
新字:手数
全體ぜんたいからつて、すくなくとも從來じゆうらいの四ぶんの一の手數てかずがなくなるてんからても、前途ぜんと非常ひじやう有望いうばう事業じげふであると、小六ころくまた安之助やすのすけはなしたとほりをかへした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ふるつて庄兵衞をうち即座そくざ自害じがいはてんと爲しは上のお手數てかずはぶくの御奉公ごほうこう天晴あつぱれなる擧動ふるまひなり父武左衞門は自儘じまゝなんとする娘を止めそれを引連事柄ことがら委細ゐさいのべ自首じしゆする段法度はつとを重じ上を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
宗助そうすけ主人しゆじんこの言葉ことばいたとき今更いまさら手數てかずをかけて、屏風びやうぶせてもらふのが、どくにもなり、また面倒めんだうにもなつた。じつふとかれ好奇心かうきしんは、夫程それほどつよくなかつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
つくし大事にかけて遣す可し大藤武左衞門娘みつ事は婚姻こんいんさまたげを爲たる庄兵衞かみに於て死罪しざいにも行ふ可きの所ろ上へはお手數てかずかけずして十八年の少女には似氣にげなく武士の娘とは言ながら白刄しらは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)