トップ
>
惰性
>
だせい
ふりがな文庫
“
惰性
(
だせい
)” の例文
俗
(
ぞく
)
に「ふみきり」といふペタルで、つまり
普
(
ふ
)
通の自轉車のやうに、或る程度の
惰性
(
だせい
)
がついたらペタルの上で足を休ませてゆくといふことが出來ない。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
何
(
なん
)
となれば、これ
等
(
ら
)
の
材料
(
ざいりよう
)
は
家屋各部
(
かおくかくぶ
)
の
結束
(
けつそく
)
に
無能力
(
むのうりよく
)
なるが
上
(
うへ
)
に、
地震
(
ぢしん
)
のとき、
自分
(
じぶん
)
の
惰性
(
だせい
)
を
以
(
もつ
)
て
家屋
(
かおく
)
が
地面
(
ぢめん
)
と
一緒
(
いつしよ
)
に
動
(
うご
)
くことに
反對
(
はんたい
)
するからである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
名称はその初期の目的さえ達してしまえば、後はただ
惰性
(
だせい
)
をもって我々がこれを保持するに過ぎなかったのである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
すべて勝負ごとは何に限らず悪い
惰性
(
だせい
)
を伴って本業を怠らせるから要するに皆つぶらかしに帰着する
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
つい
床
(
とこ
)
のうちで
愚圖々々
(
ぐづ/\
)
してゐるうちに、
時間
(
じかん
)
が
遠慮
(
ゑんりよ
)
なく
過
(
す
)
ぎて、えゝ
面倒
(
めんだう
)
だ、
今日
(
けふ
)
は
已
(
や
)
めにして、
其
(
その
)
代
(
かは
)
り
今度
(
こんだ
)
の
日曜
(
にちえう
)
に
行
(
ゆ
)
かうと
思
(
おも
)
ひ
直
(
なほ
)
すのが、
殆
(
ほと
)
んど
惰性
(
だせい
)
の
樣
(
やう
)
になつてゐる。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
大衆は一般に受動的、消極的、
怠惰
(
たいだ
)
的、
惰性
(
だせい
)
的な性質を持つもので、通常は生計をはかることで精力を費やし、一定の財産を持って安定した生活ができれば、だいたいはそれで満足している。
政治学入門
(新字新仮名)
/
矢部貞治
(著)
「それや、無理もない。
惰性
(
だせい
)
というもの、そこに、転機が来なければの」
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
文字の威力よりも、習慣の
惰性
(
だせい
)
が怖ろしいということになります
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
小六
(
ころく
)
は
父
(
ちゝ
)
が
死
(
し
)
んで、すぐと
叔父
(
をぢ
)
に
引
(
ひ
)
き
取
(
と
)
られて
以來
(
いらい
)
、
學校
(
がくかう
)
へも
行
(
ゆ
)
けるし、
着物
(
きもの
)
も
自然
(
ひとりで
)
に
出來
(
でき
)
るし、
小遣
(
こづかひ
)
も
適宜
(
てきぎ
)
に
貰
(
もら
)
へるので、
父
(
ちゝ
)
の
存生中
(
ぞんしやうちゆう
)
と
同
(
おな
)
じ
樣
(
やう
)
に、
何不足
(
なにふそく
)
なく
暮
(
く
)
らせて
來
(
き
)
た
惰性
(
だせい
)
から、
其日
(
そのひ
)
其晩
(
そのばん
)
迄
(
まで
)
も
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
惰
常用漢字
中学
部首:⼼
12画
性
常用漢字
小5
部首:⼼
8画
“惰性”で始まる語句
惰性力