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悄
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しを
ふりがな文庫
“
悄
(
しを
)” の例文
泥濘
(
ぬかるみ
)
と
言
(
い
)
へば、まるで
沼
(
ぬま
)
で、
構内
(
こうない
)
まで、どろ/\と
流込
(
ながれこ
)
むで、
其処等
(
そこら
)
一
面
(
めん
)
の
群集
(
ぐんしふ
)
も
薄暗
(
うすぐら
)
く
皆
(
みな
)
雨
(
あめ
)
に
悄
(
しを
)
れて
居
(
ゐ
)
た。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
悄
(
しを
)
れた
首
(
くび
)
を
擡
(
もた
)
げて三
人
(
にん
)
の
口
(
くち
)
を
糊
(
のり
)
するために
日傭
(
ひよう
)
に
出
(
で
)
た。
彼
(
かれ
)
は
能
(
よ
)
く
隣
(
となり
)
の
主人
(
しゆじん
)
に
使
(
つか
)
つて
貰
(
もら
)
つた。
米
(
こめ
)
は
屹度
(
きつと
)
彼
(
かれ
)
が
搗
(
つ
)
かせられた。
上手
(
じやうず
)
な
彼
(
かれ
)
は
減
(
へ
)
らさないでさうして
白
(
しろ
)
く
搗
(
つ
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
直造は、然し、
突嗟
(
とつさ
)
のうちに考へをまとめることができなかつた。彼はあの慇懃な荘重さをとりもどしてゐた。が、何となく
悄
(
しを
)
れた所のある物腰で、房一の挨拶を受けたのだつた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
「
威張
(
ゐば
)
らなくツたつて、
何
(
なに
)
も、
威張
(
ゐば
)
らなくツたつて
構
(
かま
)
はないから、
父爺
(
ちやん
)
が
魚
(
さかな
)
を
食
(
く
)
つてくれると
可
(
い
)
いけれど、」と
何
(
なん
)
と
思
(
おも
)
つたか
與吉
(
よきち
)
はうつむいて
悄
(
しを
)
れたのである。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「そんだつて
俺
(
お
)
ら
被
(
かぶ
)
んねえよ」
痘痕
(
あばた
)
の
爺
(
ぢい
)
さんはすつかり
悄
(
しを
)
れて
畢
(
しま
)
つた。
群集
(
ぐんしふ
)
は
皆
(
みな
)
腹
(
はら
)
を
抱
(
かゝ
)
へた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
昨日籠へ取らうと思つて居たのに少しの油斷でいまいましいことをしたと
悄
(
しを
)
れる。親鳥は低い木の枝に止つてまだ騷ぎがやまない。怒を含んだ形であらうか、上へ反らした尾を左右へ動かして居る。
炭焼のむすめ
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
汝
(
わ
)
りや
何
(
なん
)
ちつたそんで」と
呶鳴
(
どな
)
つた。
與吉
(
よきち
)
は
悄
(
しを
)
れて
暫
(
しばら
)
く
沈默
(
ちんもく
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
悄
漢検1級
部首:⼼
10画
“悄”を含む語句
悄然
悄々
悄乎
悄気
悄気返
悄気切
悄氣
打悄
悄沈
悄気方
見悄
意気悄沈
大悄
悄悵
悄然返
悄衰
悄悴
悄悄
御悄