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怠屈
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たいくつ
ふりがな文庫
“
怠屈
(
たいくつ
)” の例文
主翁
(
ていしゅ
)
が一所懸命になって云うので、避暑に来て
怠屈
(
たいくつ
)
している時であったから、時間つぶしにと思って番地を聞いたうえで出かけて往った。
二通の書翰
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「だが、
怠屈
(
たいくつ
)
で金があるからあんな事を思ひ立つことだらうが、生き
葬
(
とむら
)
ひなどは増長の沙汰だよ。藤屋も惡いには違ひない」
銭形平次捕物控:177 生き葬ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
半
(
なかば
)
目をとぢて
怠屈
(
たいくつ
)
さうに椅子にもたれて居た検事は、立つて論告をした。被告の控訴は理由がないから棄却せられたしと云ふ丈のものであつた。
公判
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
哀
(
あわ
)
れな
鶏
(
にわとり
)
は、
小舎
(
こや
)
の
中
(
なか
)
にいて、どんなに
怠屈
(
たいくつ
)
をしたでしょう。ただじっとしていて、
耳
(
みみ
)
に
聞
(
き
)
くものは
闇
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
に
狂
(
くる
)
う
風
(
かぜ
)
と
雪
(
ゆき
)
の
音
(
おと
)
ばかりでありました。
ものぐさなきつね
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
毎
(
たび
)
に高窓を見上げていると、一日こうやって
怠屈
(
たいくつ
)
に送るのが
物憂
(
ものう
)
かった。何かして遊びたいと思ったが、誰も訪ねて来るものがない。時計が三時を打った。
不思議な鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
「何、神田の平次、それは珍らしいな、眞つ直ぐに庭に入るが宜い、丁度
怠屈
(
たいくつ
)
して居るところだ」
銭形平次捕物控:261 弱い浪人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
どの
病室
(
びょうしつ
)
にも、
顔色
(
かおいろ
)
の
悪
(
わる
)
い
患者
(
かんじゃ
)
が、ベッドの
上
(
うえ
)
に
横
(
よこ
)
たわったり、あるいは、すわったりして、さも
怠屈
(
たいくつ
)
そうに、やがて
暮
(
く
)
れかかろうとする、
窓際
(
まどぎわ
)
の
光線
(
こうせん
)
を
希望
(
きぼう
)
なく
見
(
み
)
つめているのでした。
雲と子守歌
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「あーあ。」と、このとき、だれやらが、
怠屈
(
たいくつ
)
まぎれにあくびをしていました。
みつばちのきた日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
王
(
おう
)
さまは、
毎日
(
まいにち
)
、このさびしい、
寒
(
さむ
)
い
景色
(
けしき
)
を
見
(
み
)
て、
日
(
ひ
)
を
暮
(
く
)
らすことに
怠屈
(
たいくつ
)
なされました。
雪
(
ゆき
)
が
降
(
ふ
)
ってきて、あたりは
真
(
ま
)
っ
白
(
しろ
)
になり、やがて、その
年
(
とし
)
も
暮
(
く
)
れて、
正月
(
しょうがつ
)
になろうとしたのであります。
珍しい酒もり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
北
(
きた
)
の
国
(
くに
)
の
王
(
おう
)
さまは、なにか
目
(
め
)
をたのしませ、
心
(
こころ
)
を
喜
(
よろこ
)
ばせるような、おもしろいことはないものかと
思
(
おも
)
っていられました。
毎日
(
まいにち
)
、
毎日
(
まいにち
)
、
同
(
おな
)
じような、
単調
(
たんちょう
)
な
景色
(
けしき
)
を
見
(
み
)
ることに
怠屈
(
たいくつ
)
されたのであります。
珍しい酒もり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
南
(
みなみ
)
の
国王
(
こくおう
)
も、かつては、お
怠屈
(
たいくつ
)
でいらせられたようでございます。
珍しい酒もり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
きっと、ふたりのお
友
(
とも
)
だちは、いまごろは、
怠屈
(
たいくつ
)
して、この
明
(
あか
)
るい
華
(
はな
)
やかな
街
(
まち
)
をもう一
度
(
ど
)
見
(
み
)
たいと
思
(
おも
)
っていなさるでしょう。そして、あなたの
身
(
み
)
の
上
(
うえ
)
をうらやましがっていなさるにちがいありません。
三つのお人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
怠
常用漢字
中学
部首:⼼
9画
屈
常用漢字
中学
部首:⼫
8画
“怠”で始まる語句
怠
怠惰
怠惰者
怠慢
怠業
怠惰屋
怠儀
怠緩
怠者
怠無