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必
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きつ
ふりがな文庫
“
必
(
きつ
)” の例文
旅の飴屋が唐人笛などを吹いて通ると、
必
(
きつ
)
とそれを呼んで、棒の先にシヤブるやうにした水飴を私に買つて呉れたのも、斯の婆さんでした。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
純粋外国
種
(
だね
)
だつて
必
(
きつ
)
と俺達より勝れてるわけでは無い。「テリヤー」や「ターンスピツト」や「プードル」のやうな奴は何所が好いんだか俺達には解らぬ。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
空
(
そら
)
は
蒼
(
あを
)
かつた。それは
必
(
きつ
)
と
風雪
(
ふうせつ
)
に
暴
(
あ
)
れた
翌朝
(
よくてう
)
がいつもさうであるやうに、
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
も
拭
(
ぬぐ
)
はれて
清
(
きよ
)
く
青
(
あを
)
かつた。
混沌
(
こんとん
)
として
降
(
ふ
)
り
狂
(
くる
)
つた
雪
(
ゆき
)
のあとの
晴
(
はれ
)
た
空位
(
そらぐらひ
)
又
(
また
)
なく
麗
(
うる
)
はしいものはない。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
僕等が毎晩ねる時は、おやすみよつくと
必
(
きつ
)
と言ふ。
誰か
(新字旧仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
「でも
折角
(
せつかく
)
御供をして参りましたのに……『何だつて病院まで行かないんだ、何の為に
随
(
つ
)
いて行つたんだ』なんて、
必
(
きつ
)
とまた私が旦那様に叱られます——」
灯火
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
毎朝御飯前と
午後
(
ひるすぎ
)
、学校からお帰りになると
必
(
きつ
)
と
練習
(
おさら
)
ひなさるが、俺達のやうな解らないものが聞いてさへ面白いから、何時でも其時刻を計つて西洋間の窓の下に
恍惚
(
うつとり
)
と聞惚れてゐる。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
何故
(
なぜ
)
といつて、
今
(
いま
)
まあ
假
(
かり
)
にある
禍
(
わざは
)
ひが來て、あなたのその要らない子供を
奪
(
うば
)
つて
行
(
い
)
くとしませう、その
時
(
とき
)
あなたは
必
(
きつ
)
と、
身
(
み
)
も
世
(
よ
)
もあげてそのお子さんを
救
(
すく
)
はうとなさるにちがひありませんもの。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
「兄さんは
矢張
(
やつぱり
)
叔母さんの
生家
(
さと
)
へ知らずに買物に行つたのよ。三度も。なんでもハイカラな娘が居たなんて——
必
(
きつ
)
とお
君
(
きみ
)
さん(叔母さんの
姪
(
めひ
)
)のことよ。」
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
何
(
ど
)
れも
其辺
(
そこら
)
の
勧工場
(
くわんこうば
)
で買へない
高料
(
たか
)
い品を月に一遍位は
必
(
きつ
)
と持つて来た子。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
「大丈夫。そんな旦那様ぢや無いから。何だか子供の方が気になつて仕様が無い……お前に行つて見て貰ふと、私は一番安心だ。
家
(
うち
)
の方ぢや
必
(
きつ
)
と
皆
(
みん
)
な困つてるよ。」
灯火
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
物のキマリの好い豐田さんの家では、三時といふと
必
(
きつ
)
と煎餅なり燒芋なりが出ました。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「御嬢様方は
如何
(
どう
)
して
被入
(
いら
)
つしやいませう。
必
(
きつ
)
と
最早
(
もう
)
おねんねで御座いますよ。」
灯火
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「めづらしいことだ——
必
(
きつ
)
と誰かに教はつて
寄
(
よこ
)
した、なんて言ふだらうなあ。」
伊豆の旅
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「アヽ、あの黒いのが山毛欅で、白いのが
必
(
きつ
)
と欅ですぜ。」斯うA君が言つた。
伊豆の旅
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
私の眼からは
止處
(
とめど
)
もなく涙が流れた。痛い風の刺激に逢ふと、
必
(
きつ
)
と私はこれだ。やがて山間に不似合な大きな
建築物
(
たてもの
)
の見える處へ出て來た。修善寺だ。大抵の家の二階は戸が閉めてあつた。
伊豆の旅
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
必
常用漢字
小4
部首:⼼
5画
“必”を含む語句
必定
必要
必竟
必然
必死
必須
必死的
忽必烈
生者必滅
甲必丹
必至
必要品
不必要
盛者必衰
必需
必要條件
必用
必須条件
必殺
必要上
...