トップ
>
御辺
>
ごへん
ふりがな文庫
“
御辺
(
ごへん
)” の例文
旧字:
御邊
先ごろ、ご
近習
(
きんじゅ
)
の気のきいたのが一人欲しいようなことを仰っしゃっていたから、
御辺
(
ごへん
)
の運がよければ、多分、採用になると思うがね
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ところで、わしが源平の武士を見るにどれもこれも小粒じゃ、将たる
器
(
うつわ
)
なく士たる勇を持つ人もまれな程じゃが、拙僧の眼力をもってするに、残るは唯、
御辺
(
ごへん
)
だけじゃ。
現代語訳 平家物語:05 第五巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
今
御辺
(
ごへん
)
ほどに剛なる人いまだ見ず、我に
年来
(
としごろ
)
地を争ふ敵あつて、
動
(
やや
)
もすれば彼がために悩まさる、しかるべくは御辺、我敵を討つてたび候へと
懇
(
ねんごろ
)
に
語
(
かたら
)
ひけれ、秀郷一義もいはず
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
着くとそのまゝ『此方へ』と
仰
(
お
)
っしゃって、奥庭の亭へお通しなされ、あたりに人を一人も置かず、さし向いにおなりなされて、
田兵
(
たひょう
)
殿、今度ばかりは
御辺
(
ごへん
)
の命を三成が助けて進ぜるぞと
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
これです。この壺に関して、とかく迷惑なうわさの横行いたす折りから、
御辺
(
ごへん
)
がおたずねくだすったのは、何よりありがたい。一つ、
御辺
(
ごへん
)
を証人として、無責任なごしっぷを打ち消すために、壺を
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
「退いてよければ勝手に退くのだ、
御辺
(
ごへん
)
のお世話にならぬ。」
野に臥す者
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
御辺
(
ごへん
)
のおうわさはかねてからよく聞いておる。そちらでは初対面と思われておるか知らんが、この筑前は何やら旧知の如き気がいたす。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「度々のことで恐れ入るが、今度も
御辺
(
ごへん
)
が山の手に向って頂けまいか」
現代語訳 平家物語:09 第九巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
「
御辺
(
ごへん
)
、ひとつかぞえてくれまいか。」
姫たちばな
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
御辺
(
ごへん
)
はどう受け取っておられるか知らんが、伝右衛門としては、かりそめにも、敵方の間諜たる者を、見のがした覚えなどはない。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
御辺
(
ごへん
)
がかえれば我らも帰る。」
姫たちばな
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
それだけに
謂
(
い
)
わば筑前の無二の
股肱
(
ここう
)
。いや官兵衛、
御辺
(
ごへん
)
とならば、きっと
肝胆
(
かんたん
)
相照らすものがあろうぞ。
刎頸
(
ふんけい
)
を誓ったがよい
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……お城よりおゆるしがあれば、明日にでも、
御辺
(
ごへん
)
を伴うて、岐阜城にのぼり、共に君前へ伺って、なお談合もいたそう程に
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……だんだん伺ってみれば、貴公とは、以前の同僚のようなものだが、もしや
御辺
(
ごへん
)
は、あだ名を“
青面獣
(
せいめんじゅう
)
”と呼ばれていた
楊志
(
ようし
)
殿ではないのか
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「追々、時刻もない。評議にかかる前に、御退座を願ってはどうじゃな。それとも、何か
御辺
(
ごへん
)
の都合でもあるのか。筑州殿」
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それは覚えておるよ。たしかあの夜はひどい
暴風雨
(
あらし
)
であった。そして、初めて
御辺
(
ごへん
)
を見た所は、龍泉の
正季
(
まさすえ
)
が家の奥。……な、柳斎、いや右馬介どの」
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おお
御辺
(
ごへん
)
が、徳川どのの
御内
(
おうち
)
に、井伊の
赤備
(
あかぞな
)
えと、聞えの高い、兵部直政どのか。……いや、お若いのう。それがしが、
佐々
(
さっさ
)
成政。お見しりおかれよ」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「その印籠を持って、ここを出ては、
御辺
(
ごへん
)
のお身にも、禍いがかかろうではないか。——詮議の上に必要な兇状者の証拠品じゃ。禍いを捨てて行かれい」
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ちょっと寸法にははまらないかのように見うけられるが、
御辺
(
ごへん
)
には御辺の寸法というものをちゃんとお備えになっておられる。むしろお
羨
(
うらや
)
ましいほどである
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「……が
喃
(
のう
)
、筑州殿。三法師君の御出座を求めたのは
御辺
(
ごへん
)
とはちがうか。——修理は、いっこうに知らんが」
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
御辺
(
ごへん
)
、その男を台所へ
伴
(
ともの
)
うて、飯なと食わせ、一室へ監禁して、誰にも会わせぬように始末しておけ」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ほ。三州足利党の一家にて、音に聞ゆる細川殿とは、
御辺
(
ごへん
)
であったか。お名は前々から聞いておる」
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし、三成どの、主人に不足はないが、
御辺
(
ごへん
)
と拙者とでは、身を置く地の理において相違がある。御辺は、中央の地に働き、拙者は北国の
僻地
(
へきち
)
を出ることはない。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この戦時、しかも敵の残党を
詮議
(
せんぎ
)
しておる
此方
(
このほう
)
にたいして、
御辺
(
ごへん
)
のいっていることは、まるで平時の医者の言だ。いまはそんなことに耳をかしているいとまはない。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「昨日今日、三千貫とわめいてみたが、売れない。
御辺
(
ごへん
)
を眼のあるお人と見て、半分に負けてやる」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「虎と申せば、その虎もこのたびは、よくよく
暴虎
(
ぼうこ
)
の野望も及ばぬことを知ったか、神妙に、頭を
剃
(
そ
)
って、詫び入った。以後は、
御辺
(
ごへん
)
との境にも、うるさいことはなくなろう」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「たしかに、どこかで見た
女性
(
にょしょう
)
には相違ないが、さて俄に、思い泛かぶところもない。それに
御辺
(
ごへん
)
のものごしといい、よも、お
夫婦
(
ふたり
)
とも、根からの舟芸人では、おわすまいがの?」
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いや
御辺
(
ごへん
)
はそれがもう当然常時のお支度だ、道誉の平服こそごかんべんありたい。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御辺
(
ごへん
)
に謹慎を命じおいたのは、坊主にでもなる心かと察したからだ。……が、そうではなく、やはり武士なれば武士で死にたいというならば、それもよからむ。一方の大将を御辺に託そう。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「問いたいのは、
御辺
(
ごへん
)
の戦意。——そも御辺にはいかなる勝算をお持ちか」
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「両名へは、
御辺
(
ごへん
)
からつぶさに、策をさずけ、注意などしてもらいたいが」
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「使番でもない
御辺
(
ごへん
)
が、あわてふためいて、何しに駈けた。逃げて来たか」
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「その
御辺
(
ごへん
)
が、深夜、何用があって、本丸木戸を忍びやかに叩かれるか」
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いや、よい所へ。じつは
獄舎
(
ひとや
)
のうちの先帝が、頻りに
御辺
(
ごへん
)
を
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、
御辺
(
ごへん
)
のことは知らん。しかしそれがしこそ、余人におくれは取らぬものと、みずからかたく信じておる。故に、先陣はそれがしにと、誰へ遠慮もなく望む次第でござる。中川清秀にこそお命じあれ」
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「まだ
御辺
(
ごへん
)
には、お聞きおよびでなかったかの?」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、
御辺
(
ごへん
)
などは、まだまだ……」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
辺
常用漢字
小4
部首:⾡
5画
“御”で始まる語句
御
御馳走
御前
御意
御座
御簾
御尤
御覧
御免
御堂