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引摺込
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ひきずりこ
ふりがな文庫
“
引摺込
(
ひきずりこ
)” の例文
それを皆な
妾
(
めかけ
)
を置いたり、
芸妓
(
げいしや
)
を家に
引摺込
(
ひきずりこ
)
んだり、遊廓に毎晩のやうに行つたり、二月ばかりの中に滅茶/\にして仕舞つたゞア。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
事は
甚
(
はなは
)
だ簡単である。旦那の留守に以前のお客を
引摺込
(
ひきずりこ
)
んだのだから、この
儘
(
まま
)
暇をやって仕舞えばよい。それで
向
(
むこう
)
も、何一ツ苦情を云うべき
筈
(
はず
)
はない。
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そこらに
鯰
(
なまず
)
でも
湧出
(
わきだ
)
しそうな、泥水の中へ
引摺込
(
ひきずりこ
)
まれそうな気がしたんで、骨まで
浸透
(
しみとお
)
るほど
慄然々々
(
ぞくぞく
)
するんだ。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
霙
(
みぞれ
)
がバラ/\降って参りまして、
極
(
ごく
)
寒いから、新吉は
食客
(
いそうろう
)
の悲しさで二階へ
上
(
あが
)
って寝ますが、
五布蒲団
(
いつのぶとん
)
の
柏餅
(
かしわもち
)
でもまだ寒いと、肩の処へ股引などを
引摺込
(
ひきずりこ
)
んで寝まするが
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
こんな山奥へ
引摺込
(
ひきずりこ
)
まれて、人だか𤢖だか判らぬような
怪物共
(
ばけものども
)
の
玩弄
(
おもちゃ
)
にされて
堪
(
たま
)
るものか。
他
(
ひと
)
面白くもない、
好加減
(
いいかげん
)
に馬鹿にしろと、
彼女
(
かれ
)
は持前の
侠肌
(
きゃん
)
を発揮して、奮然
袂
(
たもと
)
を払って
起
(
た
)
った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
三吉は
燈火
(
あかり
)
も点けずに、薄暗い部屋の内に震えながら坐っていた。何となく
可恐
(
おそろ
)
しいところへ
引摺込
(
ひきずりこ
)
まれて行くような、自分の位置を考えた。今のうちに
踏留
(
ふみとど
)
まらなければ成らない、と思った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
当座の花だ、むずかしい事はない、
安泊
(
やすどまり
)
へでも
引摺込
(
ひきずりこ
)
んで、裂くことは出来ないが、
美人
(
たぼ
)
の
身体
(
からだ
)
を半分ずつよ、丶丶丶の
令息
(
むすこ
)
と、丶丶の親類とで慰むのだ。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此処
(
こゝ
)
にいらっしゃる方は大小を差した立派なお武家様で、人の娘を知りもしない
処
(
ところ
)
へ
無理遣
(
むりや
)
りに
引摺込
(
ひきずりこ
)
んで、飲めもしない者に盃をさして何うなさる、
彼
(
あ
)
の方は本当に馬鹿々々しくて
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
トタンに、
背後
(
うしろ
)
から
私
(
わたし
)
の
身體
(
からだ
)
を
横切
(
よこぎ
)
つたのは
例
(
れい
)
のもので、
其女
(
そのをんな
)
の
脚
(
あし
)
が
前
(
まへ
)
へ
𢌞
(
まは
)
つて、
眼
(
め
)
さきに
見
(
み
)
えた。
啊呀
(
あなや
)
といふ
間
(
ま
)
に
内
(
うち
)
へ
引摺込
(
ひきずりこ
)
まれさうになつたので、はツとすると
前
(
まへ
)
へ
倒
(
たふ
)
れた。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
撲殺
(
なぐりころ
)
して
占
(
し
)
め損い、
遁
(
に
)
げんとして
馬丁
(
べっとう
)
に
見露
(
みあらわ
)
され、書生のために捕えられて、玄関に
引摺込
(
ひきずりこ
)
まれし、年老いたる
屠犬児
(
いぬころし
)
は、
破褞袍
(
やれおんぽう
)
を
衣
(
き
)
て荒縄の帯を
〆
(
し
)
め、
踵
(
かかと
)
の
辺
(
あたり
)
は摺切れたる
冷飯草履
(
ひやめしぞうり
)
を片足脱ぎて
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
摺
漢検準1級
部首:⼿
14画
込
常用漢字
中学
部首:⾡
5画
“引摺”で始まる語句
引摺
引摺出
引摺上
引摺倒
引摺々々
引摺下
引摺寄