“ひきずりこ”の漢字の書き方と例文
語句割合
引摺込100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
みぞれがバラ/\降って参りまして、ごく寒いから、新吉は食客いそうろうの悲しさで二階へあがって寝ますが、五布蒲団いつのぶとん柏餅かしわもちでもまだ寒いと、肩の処へ股引などを引摺込ひきずりこんで寝まするが
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
こんな山奥へ引摺込ひきずりこまれて、人だか𤢖だか判らぬような怪物共ばけものども玩弄おもちゃにされてたまるものか。ひと面白くもない、好加減いいかげんに馬鹿にしろと、彼女かれは持前の侠肌きゃんを発揮して、奮然たもとを払ってった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
三吉は燈火あかりも点けずに、薄暗い部屋の内に震えながら坐っていた。何となく可恐おそろしいところへ引摺込ひきずりこまれて行くような、自分の位置を考えた。今のうちに踏留ふみとどまらなければ成らない、と思った。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)