年中ねんぢう)” の例文
ばん年中ねんぢう臟腑ざうふ砂拂すなはらひだといふ冬至とうじ蒟蒻こんにやくみんなべた。おしな明日あすからでもきられるやうにおもつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そのうへあんたなんかは御丁寧ごていねいねん年中ねんぢう足首あしくびおも鐵鎖くさりまでめられてるんだ
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
商ひ候由申ければ權三助十否々いへ/\いひながら傍邊かたはらより進み出で勘太郎渡世と申ては外に之なく年中ねんぢう博奕のみ致居候間あや敷存じ店中たなうちに差置ては家主の爲になるまじくと思ひ泥工さくわん棟梁とうりやう權九郎と申者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かへりたいだらう。なまぬるい、あをんぶくれのやうな人間にんげんどもが、年中ねんぢう指先ゆびさきでも、なかでも算盤そろばんはじいて、下卑げびたことばかりかんがへてゐるこの土地とちに、まことの人間にんげんらしい人間にんげんはとてもられないね。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
相互さうご踉蹌よろけながらをどりともなんともつかぬ剽輕へうきん手足てあしうごかしやうをして、たくはへていた一年中ねんぢうわらひを一したかとおもほどこゑはなつてめどもなくどよめいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そのためにどうでせう、わたしどもねん年中ねんぢうふやはずなんです。神樣かみさま、なんとかおつしやつてくれませんか。どうしてあなたはあんなさけつくかたなんか人間にんげんにおをしえになつたんです。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)