屋内おくない)” の例文
それゆゑにかような場合ばあひおいては、屋外おくがいることを斷念だんねん屋内おくないおい比較的ひかくてき安全あんぜん場所ばしよもとめることがむし得策とくさくであらう。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
現に我々の使用しようする水瓶みづがめに比しては其容量ようりやう誠に小なりと云ふべし。おもふにコロボツクルは屋内おくないに數個の瓶鉢類を並列へいれつして是等に水をたくわきしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
そして、原田は、勝則が訪れるまで、その机に向かって、なにかの原稿を書いていた模様だった。内も外も同じというほどは、屋内おくないは雨が降ってはいない。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
びっくりするほどの若やいだ声で、笑いながら、被布ひふの袂をひるがえして、屋内おくないへにげこんだ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ニーナは、屋内おくないへいそぐ房枝の腕をかかえて、しきりに朝食をとっていけとすすめる。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
屋内おくないはべつに取乱とりみだされず、犯人はんにんなにかを物色ぶっしょくしたという形跡けいせきもないから、盗賊とうぞく所為しょいではないらしく、したがつて殺人さつじん動機どうきは、怨恨えんこん痴情ちじょうなどだろうという推定すいていがついたが、さて現場げんばでは
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
四、 屋内おくない一時避難所いちじひなんじよとしては堅牢けんろう家屋かおくそばがよい。教場内きようじようないおいてはつくゑしたもつと安全あんぜんである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
土庇どびさしを打つ雨だれが、折りからの月を受けて銀に光っているのが、屋内おくないにあっても感じられる。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
是等の中には煮焚にたきの爲、温暖おんだんを取らん爲、又は屋内おくないを照さん爲、故意に焚き火せし跡も有るべけれど、火災くわさいの爲屋根のちたる跡も有らん。屋根の事は次項に記すべし。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
われ/\の崇敬すうけいする偉人いじんでも、大地震だいぢしんとなるとわれわすれてされるのであるから、二階建にかいだて三階建さんがいだてとう階下かいか平家建ひらやだて屋内おくないにゐたひとすのは、もつともな動作どうさかんがへなければなるまい。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)