實子じつし)” の例文
新字:実子
時に嘉川主税之助は我が實子じつし愛欲あいよくまなこくらみて家のみだれは一向構はず彼安間平左衞門始め新參の家來を相手あひて只管ひたすら惡事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
此家こゝ嫁入よめいりせぬ以前いぜん、まだ小室こむろ養女やうぢよ實子じつしつたときに、いろ/\のひと世話せわをしてれて、種々いろ/\口々くち/″\申込まうしこんでれた、なかには海軍かいぐん潮田うしほだといふ立派りつぱかたもあつたし
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
彦次ひこじ實子じつしなんだね」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
いゑ生㧞はへぬきの實子じつしにてもあらば、かゝるむかへのよしや十たび十五たびたらんとも、おもひちての修業しゆぎやうなれば一トかど學問がくもんみがかぬほどは不孝ふこうつみゆるしたまへとでもいひやりて
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
情なき事に思ひ或時は放蕩はうたう擧動ふるまひ等御座候故是又其儘に打捨難うちすてがたいさめつなだめつ致し候中不※ふと藤五郎不行跡ふぎやうせきのこと御座りしを主税之助は幸ひに亂心と申たて座敷牢ざしきらう押込おしこめ我が實子じつしすけ五郎を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
寶澤はうたくと改めける感應院は元より妻も子もなく獨身どくしんの事なる故に寶澤を實子じつしの如くいつくしみてそだてけるが此寶澤はうまれながらにして才智さいち人にすぐ發明はつめいの性質なれば讀經どくきやういふおよばず其他何くれとをしゆるに一を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)