よけ)” の例文
春は俗を狂せしむるによけれど、秋の士を高うするにかず。花の人を酔はしむると月の人をましむるとは、おのづからあじはひを異にするものあり。
秋窓雑記 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
ころたれしらぬ樣になし成人せいじんの後に名乘出なのりいづべしと心ふとくも十二歳の時はじめおこ大望たいもうの志ざしこそおそろしけれ既に其歳もくれて十二月十九日となりければ感應院には今日けふは天氣もよければ煤拂すゝはらひを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つけるなどとは必竟ひつきやうお熊殿の取扱とりあつかひ惡きゆゑおこる事なり何はもあれ兎角とかく家の丸くをさまるがよければ何事も堪忍かんにんあり隱居いんきよあるべしとすゝめけるにお常は大いに立腹りつぷくして一々云あらそひ氣に入ぬむこなれば地面ぢめん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
聞直八それ高價たかいわしは百姓のことだから身にはすこしかまひは無い見てくれさへよければいゝほんの御祝儀しうぎざしもうちつと負て下さい道具屋否々いへ/\此品はかた代物しろものなれば夫よりは少しもひけやせんと是より暫時しばし直段ねだん押引おしひき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)