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大入道
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おおにゅうどう
ふりがな文庫
“
大入道
(
おおにゅうどう
)” の例文
後を振返れば、ドアの裏側がやっぱり鏡で、そこに実物の五倍ほどもある
大入道
(
おおにゅうどう
)
のような博士の、あっけに取られた顔が覗いていた。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「ひいさん、なにをびくびくしておいでだい。戸のそとに、
大入道
(
おおにゅうどう
)
の鬼が来て、おまえをさらって行こうとでもしているのかい。」
かえるの王様
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
身の丈五尺九寸もある
大入道
(
おおにゅうどう
)
の
大眼玉
(
おおめだま
)
。容貌いたって
魁偉
(
かいい
)
で、ちょうど
水滸伝
(
すいこでん
)
の
揷絵
(
さしえ
)
にある
花和尚魯智深
(
かおしょうろちしん
)
のような面がまえ。
顎十郎捕物帳:17 初春狸合戦
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
まして、ろくろ首にしたり、鉄棒を持たせたり
大入道
(
おおにゅうどう
)
にして、ラングイヒゲを生やしたりすると一層滑稽になる。
ばけものばなし
(新字新仮名)
/
岸田劉生
(著)
そして、くれないと金をまぜたような夕やけの空の中に、ぬうーっとあらわれたのは、おそろしい
大入道
(
おおにゅうどう
)
でした。
アラビヤンナイト:04 四、船乗シンドバッド
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
赤ら顔の
大入道
(
おおにゅうどう
)
の、首抜きの
浴衣
(
ゆかた
)
の尻を、
七
(
しち
)
のづまで
引
(
ひき
)
めくつたのが、
苦
(
にが
)
り切つたる顔して、つか/\と、
階
(
きざはし
)
を踏んで
上
(
あが
)
つた、
金方
(
きんかた
)
か
何
(
なん
)
ぞであらう、芝居もので。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
あまりにムクムクと膨れてきたので、破れたベビー服は
涎
(
よだれ
)
かけのように、申し訳にその首のあたりにぶら下っていた。こうして現れた
摩訶不思議
(
まかふしぎ
)
なる赤ン坊の
大入道
(
おおにゅうどう
)
!
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「一つ
大入道
(
おおにゅうどう
)
にばけて若様がたを驚かしてくださいませんか? その五分刈りがまことに結構です」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
車の
動揺
(
どうよう
)
のために、ともすると、よろけそうになるのを、じっとふみこらえて、ランプを
片
(
かた
)
すみにさしつけると、大きな
大入道
(
おおにゅうどう
)
のような
影法師
(
かげぼうし
)
がうしろの
板
(
いた
)
かべにいっぱいうつった。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
ちょっと見て
烏
(
からす
)
か
狐
(
きつね
)
か盗賊か鬼か
蛇
(
じゃ
)
かもしくは一つ目小僧か
大入道
(
おおにゅうどう
)
かそれを確かめて、安心して画いたがよサそうなものだ、よろしいそうだと振り向こうとしたが、残念でたまらない
郊外
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
やっと云う掛声と共に両手が
崖
(
がけ
)
の
縁
(
ふち
)
にかかるが早いか、
大入道
(
おおにゅうどう
)
の腰から上は、
斜
(
なな
)
めに
尻
(
しり
)
に
挿
(
さ
)
した
蝙蝠傘
(
こうもり
)
と共に谷から上へ出た。同時に碌さんは、どさんと
仰向
(
あおむ
)
きになって、
薄
(
すすき
)
の底に倒れた。
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そして、その闇の中を少し行くと、車は何か大きな建物らしいものの前に停った。燈火も何もない、黒い
大入道
(
おおにゅうどう
)
の様な異様の建物だ。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「
姫
(
ひめ
)
や。なにがこわいんだね。戸のそとに
大入道
(
おおにゅうどう
)
でもきて、おまえをさらっていこうとでもしているのかい。」
カエルの王さま:または鉄のハインリッヒ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
あり合はせた
草履
(
ぞうり
)
を
穿
(
は
)
いて出る時、亭主が声を掛けて笑つた。其の
炉辺
(
ろべり
)
には、
先刻
(
さっき
)
の
按摩
(
あんま
)
の
大入道
(
おおにゅうどう
)
が、やがて自在の
中途
(
ちゅうと
)
を頭で、神妙らしく
正整
(
しゃん
)
と坐つて。……
胡坐
(
あぐら
)
掻
(
か
)
いて
駕籠舁
(
かごかき
)
も二人居た。
貴婦人
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
林が尽きて、青い原を半丁と行かぬ所に、
大入道
(
おおにゅうどう
)
の圭さんが空を仰いで立っている。
蝙蝠傘
(
こうもり
)
は畳んだまま、帽子さえ、
被
(
かぶ
)
らずに
毬栗頭
(
いがぐりあたま
)
をぬっくと草から上へ突き出して地形を見廻している様子だ。
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
闇の中を走り去った、七八尺もある様な
大入道
(
おおにゅうどう
)
。あれだ。「角力取みたいな」という言葉が、
忽
(
たちま
)
ちその当時の巨人の幻を描き出した。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と、突然画面の右の隅へ、うしろ向きの
大入道
(
おおにゅうどう
)
が現われた。活劇を見物している市民の一人が、うっかりカメラの前へ首を出したのであろう。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ボンヤリと闇の中に浮出した
大入道
(
おおにゅうどう
)
みたいな野郎だったがね。そいつがお
邸
(
やしき
)
の方からやって来て、この町を飛ぶ様に駈け出して行ったんでさあ。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
堤の上の安全燈からさす光の
外
(
ほか
)
は、
隙漏
(
すきも
)
る
燈火
(
ともしび
)
さえなかった。暗黒の中に
大入道
(
おおにゅうどう
)
の様な句碑がニョキニョキ立並んでいた。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それは、焼けあとの原っぱに、黒い
大入道
(
おおにゅうどう
)
のように、つったっている、三階建ての焼けビルでした。
透明怪人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
遠くの海上に漂う
大入道
(
おおにゅうどう
)
の様でもあり、ともすれば、眼前一尺に迫る
異形
(
いぎょう
)
の靄かと見え、はては、見る者の
角膜
(
かくまく
)
の表面に、ポッツリと浮んだ、一点の曇りの様にさえ感じられた。
押絵と旅する男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
“大入道”の解説
大入道(おおにゅうどう)は、日本各地に伝わる妖怪。
(出典:Wikipedia)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
入
常用漢字
小1
部首:⼊
2画
道
常用漢字
小2
部首:⾡
12画
“大入”で始まる語句
大入
大入場
大入島
大入杵
大入叶
大入満員