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まいす
ふりがな文庫
“
売僧
(
まいす
)” の例文
「
売僧
(
まいす
)
、ちん
鴨
(
かも
)
の
座興
(
ざきょう
)
にしては
折檻
(
せっかん
)
が過ぎようぞ、眉間傷が夜鳴き致して
見参
(
けんざん
)
じゃ。大慈大悲の
衣
(
ころも
)
とやらをかき合せて出迎えせい」
旗本退屈男:06 第六話 身延に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
ことによったら『
売僧
(
まいす
)
ども』の手品かもしれぬ、とのことだったけれど、これもたぶんきわめて自然に生じたことであろうと思う。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「ふらちな
売僧
(
まいす
)
め、
文殊菩薩
(
もんじゅぼさつ
)
の勢至菩薩のと、だれがさようなたわごとを
信
(
しん
)
じようか。あいや
一火先生
(
いっかせんせい
)
、ぜひ、咲耶子はこの
長安
(
ながやす
)
のほうへ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
乞食坊主、
売僧
(
まいす
)
坊主、オゲ坊主、チャンチャン坊主、糞坊主、スッタラ坊主、ハッチ坊主、横着坊主、毛坊主、カッタイ坊主などこれである。
賤民概説
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
「
売僧
(
まいす
)
、その袖の首は、何としたものじゃ、僧侶の身にあるまじき
曲事
(
くせごと
)
、
有体
(
ありてい
)
に申せばよし、
偽
(
いつわ
)
り申すとためにならぬぞ」
轆轤首
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
「それは
売僧
(
まいす
)
の
巧
(
たく
)
み
凡
(
ぼん
)
ならずさ。
対照
(
コントラスト
)
のために
態〻
(
わざわざ
)
鳴らないところを拵えて置いてお上りさんに有難がらせるのさ」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それは恐しい邪悪な
売僧
(
まいす
)
であったにしても、もう一度京姫の顔が見度いという
外
(
ほか
)
は、何の望みもない村松金之助に取っては兎にも角にも救いの神でした。
奇談クラブ〔戦後版〕:06 夢幻の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
いずれ末世における
売僧
(
まいす
)
の
仕業
(
しわざ
)
であるが、質屋の壁で風に吹かれている有様は、涅槃会ならぬ日の事と解したい。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
彼が再びこの店先に立たないのをみると、やはりそれは真実の予言で、彼は夫がひと口に
貶
(
けな
)
してしまったような商売ずくの卑しい
売僧
(
まいす
)
ではないと思われた。
半七捕物帳:16 津の国屋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
広沢は
善
(
い
)
い事をした。お慈悲深い仏様さへ手の届かなかつた
売僧
(
まいす
)
を一人助けた上に、自分の書が田舎の房州路でさへ旅籠銭の代りになるといふ事を知つたのだから。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
愛子を
喪
(
うしな
)
った悲嘆の余りにわかに迷信深くなり、
売僧
(
まいす
)
の言葉を真に受けて、非常識に畜類を憐れむようになり、自身
戌年
(
いぬどし
)
というところから取り分け犬を大事に掛けた。
紅白縮緬組
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
今日の紛糾錯綜入乱れた文化の葛藤を解決し
制馭
(
せいぎょ
)
する威力のないものであるというのが二葉亭の禅に対する断案で、何かの
茶咄
(
ちゃばなし
)
のついでに
一休
(
いっきゅう
)
は
売僧
(
まいす
)
、白隠は落語家
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
梶原に向ひ「親父の
売僧
(
まいす
)
が熊野から維盛をつれけえり、道にて頭をすりこぼち、この間はいやらしい
婿詮索
(
むこぜんさく
)
、引つくくつてつら恥とおめえの外、手ごえゝやつ、村のやつら」
いがみの権太:(明治二十九年一月、明治座)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
「人間が見たとこ通りなら、世の中に
売僧
(
まいす
)
も毒婦もありゃあしねえわサ、おいらなんぞは、島抜けの何のと、世間では悪くいうが、本心は、どんな仏さまよりやさしいのだ」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
売僧
(
まいす
)
をも無双の名僧智識に仕立てることができたであろう長井の門地はいま彼自身である。
梟雄
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
一間四面の堂の施主が、
売僧
(
まいす
)
の魚説法を憤って
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
往年
売僧
(
まいす
)
有て毘沙門経を誦して門戸に立て物を乞。名けて唱門師といふ。是門下に読経するの謂なり。曾て陰陽師の類ひにあらずと云云。是古翁の説なり。
俗法師考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
「よしっ、その
面
(
つら
)
の皮をひん
剥
(
む
)
いてやるから待て。
蜘蛛太
(
くもた
)
、てめえの見たことを、この
売僧
(
まいす
)
に話してやれ」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこへ行ったら俺のような者でも
解脱
(
げだつ
)
往生が出来るかとな。アッハハハ、馬鹿な話だ。懺悔しろとは餓鬼扱いな! これ
売僧
(
まいす
)
、よく聞くがいい。懺悔は
汝
(
うぬ
)
の専売ではない。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「またそれか、スリの女を手飼いに致す五万石の寺格がどこにあろうぞ。秘密はみな挙ったわッ。どうじゃ
売僧
(
まいす
)
! そちの
罪業
(
ざいごう
)
、これなる恋尼に、いちいち言わして見しょうか!」
旗本退屈男:06 第六話 身延に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「それ、その
売僧
(
まいす
)
を逃がすな」
切支丹転び
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「おお、こやつは、元叡山におって、今では吉水の門下で実性とか呼ばれている
売僧
(
まいす
)
じゃ」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
売僧
(
まいす
)
めッ、よくも化かしおッたなッ。道理で必死とあの女を庇いおッたわッ。スリを
旗本退屈男:06 第六話 身延に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「黙れ!
売僧
(
まいす
)
! 口広の奴め! 問答無益じゃ! そこへ直れ!」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
親鸞はおらぬかっ、
愚禿
(
ぐとく
)
はどこにおるかっ。すでにここに立ち帰っておろうが。
常陸
(
ひたち
)
一国の修験の
司
(
つかさ
)
、
播磨公
(
はりまのきみ
)
弁円が、破戒
無慙
(
むざん
)
の念仏
売僧
(
まいす
)
に、金剛杖の
灌頂
(
かんじょう
)
をさずけに参った。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「何んと
売僧
(
まいす
)
驚いたか! この鬼王丸不死身じゃぞよ!」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
売僧
(
まいす
)
ッ、
御岳
(
みたけ
)
三日の
掟
(
おきて
)
を知らぬか」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
売僧
(
まいす
)
!」
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
売僧
(
まいす
)
、その
霊鳥
(
れいちょう
)
をなんとする」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
黙れ、
売僧
(
まいす
)
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
売僧
(
まいす
)
ッ」
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
売
常用漢字
小2
部首:⼠
7画
僧
常用漢字
中学
部首:⼈
13画
“売僧”で始まる語句
売僧奴
売僧輩
売僧俗僧
売僧法然