梟雄きょうゆう
京の西の岡というところに、松波基宗という北面の武士が住んでいた。乱世のことであるから官給は至って不充分で、泥棒でもしなければ生活が立たないように貧乏である。 子供も何人かあるうちで、十一になる峯丸というのが絵の中からぬけでたように美しいばか …