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吉原
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なか
ふりがな文庫
“
吉原
(
なか
)” の例文
一と月ほど前に、
吉原
(
なか
)
の
年
(
ねん
)
があけて、この二、三軒先の
付木屋
(
つけぎや
)
の息子といっしょになったばかりの、これでも花恥ずかしい花嫁さま。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
吉原
(
なか
)
で鳴らした藝者の小稻、去年の秋宗次郎に捨てられ、氣が狂つて自分の子を殺して、自分も身を投げて死んだことは御聞きでせう
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
普通の客としか見えない男を捕えて「
吉原
(
なか
)
まで
如何
(
いかが
)
です」と図星を指したりするのも皆この「第六感」の一種に数えられるのである。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「ちょッとこっちへ寄ろうじゃねえか。ここは土手へ出る
馬道
(
うまみち
)
の本通りだ、
吉原
(
なか
)
へゆく四ツ手や人通りが多くって、おちおち話もしていられない」
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
守って来たし、お金まで貢いでたじゃありませんか、そのために八方へ不義理ができて、
吉原
(
なか
)
へでも身を売るほかはないような始末になってるわ、それを
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
吉原
(
なか
)
へ這入って残った奴を
皆
(
みんな
)
売りましたというと、それはえらい。俺よりは上手だなどいって大笑いしました。
幕末維新懐古談:42 熊手を拵えて売ったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
けれども
吉原
(
なか
)
に居た時よりは樂だと思ふ。まアどうかなるだらうと考へて大きな欠びをする。
疊紙
(
たたう
)
を拵へるのもそろそろ厭になる。其處へ三藏が這入つて來る。
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
現今
(
いま
)
の金に算して幾両の
金数
(
きんす
)
は安く見えはするが、百文あれば
蕎麦
(
そば
)
が食えて
洗湯
(
ゆ
)
にはいれて
吉原
(
なか
)
へゆけたという。
競
(
くら
)
べものでないほど今日より金の高かった時代である。
旧聞日本橋:10 勝川花菊の一生
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「末社どもに用談すんだと申してくれ。そしてすぐに
吉原
(
なか
)
へゆくゆえ、乗物の、支度支度」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
勝「何故ったッて、何うも誠に先生の
前
(
めえ
)
では、
些
(
ちっ
)
ときまりの悪い話でげすが、実は
彼奴
(
あいつ
)
を連れて
吉原
(
なか
)
へ遊びに行ったんでげすから、何うしても
此方
(
こちら
)
へ来る筈がごぜえませんので」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「今っからこの
姿
(
なり
)
で、
吉原
(
なか
)
へも行けめえじゃねえか」
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「そう。お糸さんは
吉原
(
なか
)
へ来たことはないの?」
桜林
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
「それから八は、
吉原
(
なか
)
は言うまでもなく四宿の盛り場を廻って、去年の暮頃から住込んだ、新顔の
妓
(
おんな
)
に出来るだけ逢ってみるんだ」
銭形平次捕物控:029 江戸阿呆宮
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
吉原
(
なか
)
で大尽遊びをして来たと景気のいい
嘘言
(
うそ
)
を吐こうと思った勘次は、これでいささか出鼻を挫かれた形で
逡巡
(
たじたじ
)
となった。
釘抜藤吉捕物覚書:01 のの字の刀痕
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
あんな道化てばかりいる
暢気者
(
のんきもの
)
はないぞとは、客の云うことであるが、
吉原
(
なか
)
の者は、台屋の横丁のぬかるみを、苦虫を噛みつぶして、
黙然
(
もくねん
)
と
腕拱
(
うでぐ
)
みしながら
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
丁度あの鳶頭が来た
翌日
(
あくるひ
)
でした、
吉原
(
なか
)
の
彼女
(
やつ
)
と
駈落
(
かけおち
)
と出懸けやしたがね、一年足らず
野州
(
やしゅう
)
足利
(
あしかゞ
)
で潜んでいるうちに
嚊
(
かゝあ
)
は梅毒がふき出し、それが
原因
(
もと
)
で到頭お
目出度
(
めでたく
)
なっちまったんで
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あけっ放しで惚れきってるからあんな事になるんだ、なによ、……相手が
吉原
(
なか
)
とか
柳橋
(
やなぎばし
)
あたりで、だれそれといわれる
姐
(
ねえ
)
さんならともかく、女中に亭主をとられるなんて女の恥じゃないの
寒橋
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「さうやつていたゞくと大變樂ですこと」といつて細君は又文束から次の一枚の手紙をほぐし取りながら「あのね塀和さん、あなたもどうせ行らつしやるでせうけれど
吉原
(
なか
)
のお話をしませうか」
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
吉原
(
なか
)
へ、是ッ非、一緒にいって貰いたいな
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「
昨夜
(
ゆうべ
)
——宵のうちのことだが、土手の綱七の死んだ話を
吉原
(
なか
)
で聞くと、主人の孫右衛門殿は、大変なことを思い付いたのだ——」
銭形平次捕物控:074 二度死んだ男
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
綿結城
(
めんゆうき
)
に胡麻柄唐桟の
半纏
(
はんてん
)
を羽織って白木の三尺を下目に結んでいる着付けが、どう見ても男は
吉原
(
なか
)
の地廻りか、とにかく堅気の者ではなかった。
釘抜藤吉捕物覚書:01 のの字の刀痕
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「前にわかつてゐたら迎へに行つて上げたのに。そりや本當に困つたでせうねえ。でもまあそれだけで濟んで好かつたわ。朦朧組といつてね
吉原
(
なか
)
へ行く車屋なんかには手の附けられないのがありますつてね」
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
花「それから
吉原
(
なか
)
へ行ったんでしょう」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「褒美に、
吉原
(
なか
)
へ連れて行ってやろう」
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吉原
(
なか
)
で鳴らした芸者の小稲、去年の秋宗次郎に捨てられ、気が狂って自分の子を殺して、自分も身を投げて死んだことは御聞きでしょう
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
すこしおそいが、
大引
(
おおび
)
け過ぎのこぼれを拾いに、
吉原
(
なか
)
へでもかせぎに行こうと、今し
本所
(
ほんじょ
)
のほうから、吾妻橋の袂へさしかかっていた一
梃
(
ちょう
)
の辻駕籠。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
吉原
(
なか
)
へさ」
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「でもね、親分。——犬が女を殺した事だけは本当ですぜ。上根岸の寮で、元
吉原
(
なか
)
で鳴らした、薄雲
花魁
(
おいらん
)
が
害
(
や
)
られたんで」
銭形平次捕物控:061 雪の足跡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
守人をねらう黒法師の群れを見失った安は、今ごろは
吉原
(
なか
)
へでもしけ込んでどこかのちょんちょん格子で枕の番でもおおせつかっていることであろう。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
一と頃は恐ろしい女道楽で、
吉原
(
なか
)
から四宿、岡場所まで、
掃
(
は
)
いて廻り、何十人、何百人の若い
妓
(
おんな
)
を泣かせたか解りません。
銭形平次捕物控:069 金の鯉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
有森利七なんてえ
野暮仁
(
やぼじん
)
は、もう、とっくのむかし死んだんで、ここにこうしておりますのは、
吉原
(
なか
)
から遠く
深川
(
たつみ
)
へかけて、おんなの子を泣かせる恋慕流しの宗七さま、へへへへへ。
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「町内の衆や遊び友達は、押かけて来てお祭のような騒ぎだ、
吉原
(
なか
)
じゃ
虻
(
あぶ
)
が一匹死んだほどにも思わないだろう」
銭形平次捕物控:074 二度死んだ男
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「何んにもありません、久兵衞の野郎は、急に小遣が出來たと言つて、
吉原
(
なか
)
へ冷かしに出かけた樣ですが——そのお小遣は、お高さんから借りた樣子でした」
銭形平次捕物控:265 美しき鎌いたち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
吉原
(
なか
)
ではいま
流行兒
(
はやりつこ
)
ですが、無理強ひに飮まされて少し醉つてゐるのと、土地に馴染がないから、氣が詰つていけないと言ひ出して、到頭船の中に殘ることになり
銭形平次捕物控:004 呪ひの銀簪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
吉原
(
なか
)
から始まって、
千住
(
せんじゅ
)
、新宿、品川、板橋、の四宿を始め、大根畑から金猫銀猫、いろは茶屋といった岡場所、
比丘尼
(
びくに
)
から
夜鷹
(
よたか
)
まで、八丁堀の旦那の御声掛りで
銭形平次捕物控:029 江戸阿呆宮
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
吉原
(
なか
)
ではいま
流行児
(
はやりっこ
)
ですが、無理強いに飲まされて少し酔っているのと、土地に馴染がないから、気が詰っていけないと言い出して、とうとう船の中に残ることになり
銭形平次捕物控:004 呪いの銀簪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「最初は使ひ屋でございました。
吉原
(
なか
)
から
華魁衆
(
おいらんしう
)
の手紙を束にして持つて來る使ひ屋の男が、小僧を呼出して、旦那へそつと渡すやうにと言つて置いて行つたさうで——」
銭形平次捕物控:119 白紙の恐怖
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「最初は使い屋でございました。
吉原
(
なか
)
から
華魁衆
(
おいらんしゅう
)
の手紙を束にして持って来る使い屋の男が、小僧を呼出して、旦那へそっと渡すようにと言って置いて行ったそうで——」
銭形平次捕物控:119 白紙の恐怖
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は黙って死骸を起し、
顎
(
あご
)
で指図をして八五郎に後ろから抱かせました。かつては
吉原
(
なか
)
で鳴らした
太夫
(
たゆう
)
だけに、「死の手」も美しさを奪うことは出来なかったでしょう。
銭形平次捕物控:061 雪の足跡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「遊び人の良助は女の怨だ。——出雲屋の新造といふのは元
吉原
(
なか
)
の藝者で、良助と深い仲だつたといふから、これも命の二つや三つは取り度かつたでせう。それから——」
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「遊び人の良助は女の怨みだ。——出雲屋の新造というのは元
吉原
(
なか
)
の芸者で、良助と深い仲だったというから、これも命の二つや三つは取りたかったでしょう。それから——」
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
吉原
(
なか
)
で、
花魁
(
おいらん
)
が
八朔
(
はっさく
)
に着る白無垢だよ。三輪の、お狐様じゃないようだね」
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
吉原
(
なか
)
へ飛ばす四つ手は、魂が拔けて居るから輕いつてね」
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
吉原
(
なか
)
へ飛ばす四つ手は、魂が抜けているから軽いってね」
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
吉
常用漢字
中学
部首:⼝
6画
原
常用漢字
小2
部首:⼚
10画
“吉原”で始まる語句
吉原田圃
吉原土手
吉原通
吉原五徳
吉原組
吉原冠
吉原堤
吉原揚
吉原雀
吉原廓