古參こさん)” の例文
新字:古参
ば吉兵衞と改め出精しゆつせいして奉公しける程に利發者りはつものなれば物の用に立事古參こさんの者にまさりければ程なく番頭ばんとう三人の中にて吉兵衞きちべゑには一番上席じやうせきとなり毎日々々細川家ほそかはけ御館おやかたへ參り御用を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かれかれこれこれかげになりてのお指圖さしづ古參こさん婢女ひとあなどらず明日きのふわすれしやうらくになりたるはじようさまの御情おなさけなり此御恩このごおんなんとしておくるべききみさまにめぐはゞ二人共々ふたりとも/″\こゝろ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
愛し古參こさんの私し共は除者のけものの如くに致し家政かせいを亂し候に付山口惣右衞門はあまりに見兼ていさめ候をことの外いきどほり直樣すぐさま永のいとまを申付其後新參しんざんの家來を相手に藤五郎藤三郎共をがいせんとの密談みつだん致候を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
贔屓ひいきし御用も追々多くなり今は利兵衞方りへゑかたにても吉兵衞なくてはかなはぬ樣に相成けり然共されども吉兵衞は少もたかぶらず傍輩はうばいなかむつましく古參こさんの者へはべつしてしたしみける故内外うちそと共に評判ひやうばんよく利兵衞がよろこび大方ならず無二者またなきものと思ひけりしかるに吉兵衞は熟々つら/\思案しあんするに最早もはや紀州を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)