トップ
>
剣突
>
けんつく
ふりがな文庫
“
剣突
(
けんつく
)” の例文
「似あうのが分ってる癖になぜ黙っているんだい。そうしてすまして掛けているんだよ、人の悪い」
剣突
(
けんつく
)
は留めどもなく連発される。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ばかめ、こんな爺さんを
掴
(
つか
)
めえて、
剣突
(
けんつく
)
もすさまじいや、なんだと思っていやがんでえ、こう指一本でも
指
(
さ
)
してみろ、今じゃおいらが後見だ
夜行巡査
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「誰も来んですよ。そんなどころじゃないと、さっき宣伝部の奴に
剣突
(
けんつく
)
を食わされちゃった。K劇場じゃ上へ下への大騒ぎで」
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
大きなお世話だ、と
剣突
(
けんつく
)
をくわした。むかしと変らない鼻曲りぶりだった。おい、おれだ、寿太郎だよというと、モオリーはいきなり立ちあがって
南部の鼻曲り
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
... それだから自然と仕事も粗末になって荒ごなしの物を
和郎
(
おまえ
)
さんの方へ送って
進
(
あ
)
げて毎度
剣突
(
けんつく
)
を
喰
(
く
)
うがこれからはお互に仲を
好
(
よ
)
くしようではないか」腸蔵
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
そして「分っていますよ。ブレーキの踏み方、私がママに教えて上げたんじゃないの」と、
剣突
(
けんつく
)
をくっている。
ウィネッカの冬
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
乾からびた葡萄棚の下に
跼
(
うずくま
)
ったとき、ロハ台に寝ていた男がムクムクと起きあがって、帆村に
剣突
(
けんつく
)
をくわせた。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
銭貰いならアノ店を明けたばかりだから、其処へ立っちゃアいけないと云ったら、あべこべに
剣突
(
けんつく
)
を
食
(
く
)
って、兄上が
妹
(
いもと
)
に逢うのだと申しますが、御様子が悪いから……
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
頼み込んでみたところで
剣突
(
けんつく
)
を食うか、そうでなければ泥棒扱いでも受けるぐらいが関の山だろうと思ったから、米友はそのままでスゴスゴとまた畑道を引返したものです。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
荷車を借りて甲州街道に竹買いに行き、椎蕈ムロを
拵
(
こしら
)
えると云っては屋根屋の手伝をしたりした。都の客に
剣突
(
けんつく
)
喫
(
く
)
わすことはある共、田舎の客に
相手
(
あいて
)
にならぬことはなかった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
金之助の役目は玄関を掃除したり、お取次をしたりするのですが、その日はトンチンカンなことばかり仕出かして、朋輩に笑われたり、組頭に
剣突
(
けんつく
)
を食わされたり、全く散々の体でした。
奇談クラブ〔戦後版〕:06 夢幻の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
あんまり可哀そうだとは思いましたが、ええ意気地のねえ、何をぐずぐずしているんだねと、あいつが
無暗
(
むやみ
)
に
剣突
(
けんつく
)
を食わせるもんですから、わたしも手伝って奥の戸棚へ押し込んでしまいました
半七捕物帳:02 石灯籠
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
と
剣突
(
けんつく
)
を
喰
(
くら
)
わして行ったものもあった。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
共倒れが
不便
(
ふびん
)
だから、
剣突
(
けんつく
)
を喰わしたんだが、可哀相に、両方とも国を隔って煩らって、胸一つ
擦
(
さす
)
って貰えないのは、お前たち何の因果だ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
主人にあてつけるに
手数
(
てすう
)
は掛らない、ちょっと八っちゃんに
剣突
(
けんつく
)
を食わせれば何の苦もなく、主人の
横
(
よこ
)
っ
面
(
つら
)
を張った訳になる。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
村人の居合わす処で其紳士が丁寧に
挨拶
(
あいさつ
)
でもすると、彼はます/\得意であった。彼は好んで斯様な都の客にブッキラ棒の
剣突
(
けんつく
)
を
喰
(
く
)
わした。
芝居気
(
しばいげ
)
も
衒気
(
げんき
)
も彼には沢山にあった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
といって、この
期
(
ご
)
に及んで、お雪ちゃんにとばしりを向けて
剣突
(
けんつく
)
をくれてみよう理由はありませんから、結局、米友としては、的なきに矢を放っているようなもので、「ばかにしてやがら」——
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
口惜
(
くや
)
しくば、おい、こうやって
馴染
(
なじみ
)
の芸者を
傍
(
そば
)
に置いて、弟子に
剣突
(
けんつく
)
をくわせられる、己のような者になって出直して来い。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「知らないよ」と令嬢は
剣突
(
けんつく
)
を食わせる。「ちょっと用があるから
嬢
(
じょう
)
を呼んで来いとおっしゃいました」「うるさいね、知らないてば」と令嬢は第二の剣突を食わせる。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一葉女史なんざ草双紙を読んだ時、
此
(
この
)
人は僕と違つて土蔵があつたさうで、土蔵の二階に本があるので、
故
(
わざ
)
と
悪戯
(
いたづら
)
をして、
剣突
(
けんつく
)
を食つて、叱られては土蔵へ
抛
(
はふ
)
り込まれるのです。
いろ扱ひ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
これで、自分は寝てもいいと云う許可を得たから、正式に横になっても
剣突
(
けんつく
)
を食う恐れはあるまいと思って、婆さんの
指図通
(
さしずどお
)
り戸棚を明けて見ると、あった。布団がたくさんあった。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
焚
(
た
)
き出しをするから、そう云う名をつけたものかも知れない。自分はその
後
(
ご
)
飯場の意味をある坑夫に尋ねて、
箆棒
(
べらぼう
)
め、飯場たあ飯場でえ、何を云ってるんでえ、とひどく
剣突
(
けんつく
)
を
食
(
くら
)
った事がある。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
剣
常用漢字
中学
部首:⼑
10画
突
常用漢字
中学
部首:⽳
8画
“剣”で始まる語句
剣
剣呑
剣戟
剣幕
剣橋
剣山
剣術
剣菱
剣舞
剣槍