刈株かりかぶ)” の例文
ななめに冬木立のつらなりてその上に鳥居ばかりの少しく見えたる、冬田の水はかれがれにびて刈株かりかぶ穭穂ひつじぼを見せたる
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
はたけ陸稻をかぼつたまゝところいくらもあつた。かれ陸稻をかぼ刈株かりかぶ叮嚀ていねい草鞋わらぢさきんでた。百姓ひやくしやうがちらほらとうごいてむぎくべきつち清潔せいけつたがやされつゝある。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
黄いろくからびた刈株かりかぶをわたッて烈しく吹きつける野分に催されて、そりかえッた細かな落ち葉があわただしく起き上がり、林に沿うた往来を横ぎって、自分の側を駈け通ッた
武蔵野 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
さうするうち世間せけんまたはるうつつてあめいそがしく田畑たはたみづ供給きようきふした。勘次かんじ自分じぶんうしろ刈株かりかぶかへしてはたがやした。おつぎも萬能まんのうつて勘次かんじあといた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
田圃たんぼしぎなにおどろいたかきゝといて、刈株かりかぶかすめるやうにしてあわてゝとんいつた。さうしてのちしろとざしたこほり時々ときどきぴり/\となつてしやり/\とこはれるのみでたゞしづかであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)