全面ぜんめん)” の例文
百合と薔薇ばらとを取りかへて部屋へやくらさをわすれてゐると、次ぎにはおいらんさうが白と桃色もゝいろくものやうに、庭の全面ぜんめんみだれた。
美しい家 (新字旧仮名) / 横光利一(著)
ひがし西にしみなみ三方さんぽうこのしま全面ぜんめんで、見渡みわたかぎ青々あを/\としたもりつゞき、處々ところ/″\やまもある、たにえる、またはるか/\の先方むかう銀色ぎんしよく一帶いつたい隱見いんけんしてるのは、其邊そのへん一流いちりうかはのあることわかる。
艇長ていちやう百三十フヒート全面ぜんめん雪白せつはく電光艇でんくわうていが、しづかに波上はじやううかんだときいさましさ、櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさ軍刀ぐんたうをかざして觀外塔上くわんぐわいたふじやうち、一聲いつせいさけ號令がうれいしたに、てい流星りうせいごと疾走しつさうした、第二だいに號令がうれいとも
すぐる十有餘日いうよにちあひだ、よく吾等われら運命うんめい守護しゆごしてれた端艇たんていをば、波打際なみうちぎわにとゞめてこのしま上陸じやうりくしてると、いまは五ぐわつ中旬なかばすぎ、みどりしたゝらんばかりなる樹木じもくしま全面ぜんめんおほふて、はるむかふは、やら