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入交
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いりまじ
ふりがな文庫
“
入交
(
いりまじ
)” の例文
いまだ昼前だのに、——時々牛の鳴くのが
入交
(
いりまじ
)
って——時に笑い
興
(
きょう
)
ずるような人声も、動かない、静かに風に伝わるのであった。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
画家の名を負うたヷン・ダイクの
河岸
(
かし
)
の
凹凸
(
あうとつ
)
の多い石畳を踏み、石炭、
干魚
(
ほしうを
)
、酒などの匂ひの
入交
(
いりまじ
)
るのを嗅ぎ
乍
(
なが
)
ら色んな店を
覗
(
のぞ
)
いて歩いた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
粗製濫造から来る偶然の省略法や単化と、ガラスの味とが
入交
(
いりまじ
)
ってまた
捨
(
すて
)
がたい味を作っているものがあるのです。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
更
(
さら
)
に不思議なことはその間を飛び飛びに、他の色々の方言の
入交
(
いりまじ
)
っているのである。
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
小僧も、若者も、番頭も
入交
(
いりまじ
)
りで、ゆかりのある家の女供や近所の者が、風はなし、自由に広しするので遊びにゆくので、とても壮観な位に、しまいには屏風もとりはらってしまっての追羽根になる。
旧聞日本橋:05 大丸呉服店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
入交
(
いりまじ
)
りに波に浮んでいると、
赫
(
かっ
)
とただ金銀銅鉄、
真白
(
まっしろ
)
に溶けた
霄
(
おおぞら
)
の、どこに
亀裂
(
ひび
)
が入ったか、
破鐘
(
われがね
)
のようなる声して
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
薄暗い
穹窿
(
きゆうりゆう
)
の
下
(
もと
)
に蝋燭の火と薫香の煙と白と
黄金
(
きん
)
の僧衣の光とが神秘な色を呈して
入交
(
いりまじ
)
り、静かな
読経
(
どくきやう
)
の声が洞窟の奥に
谺
(
こだま
)
する
微風
(
そよかぜ
)
の様に吹いて居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
ト屋根に生えた草の、葉と葉が
入交
(
いりまじ
)
って見え透くばかりに、月が一ツ出ています。——今の西瓜が光るのでした。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
はじめの
中
(
うち
)
は
一廻
(
ひとまわり
)
も太ったように思われて
痒
(
かゆ
)
さが
耐
(
たま
)
らなかったが、しまいにはげっそり
痩
(
や
)
せたと感じられてずきずき痛んでならぬ、その上を
容赦
(
ようしゃ
)
なく
歩行
(
ある
)
く内にも
入交
(
いりまじ
)
りに
襲
(
おそ
)
いおった。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
はじめの
内
(
うち
)
は一
廻
(
まはり
)
も
太
(
ふと
)
つたやうに
思
(
おも
)
はれて
痒
(
かゆ
)
さが
耐
(
たま
)
らなかつたが、しまひにはげつそり
痩
(
や
)
せたと、
感
(
かん
)
じられてづきづき
痛
(
いた
)
んでならぬ、
其上
(
そのうへ
)
を
用捨
(
ようしや
)
なく
歩行
(
ある
)
く
内
(
うち
)
にも
入交
(
いりまじ
)
りに
襲
(
おそ
)
ひをつた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
瞬
(
またた
)
く
間
(
ま
)
に翼を組んで、黒点
先刻
(
さっき
)
よりも
稍
(
やや
)
大きく、二つが一つになつて、
衝
(
つ
)
と、
細眉
(
ほそまゆ
)
に
留
(
と
)
まると、
忽
(
たちま
)
ちほぐれて、びく/\と、ずり
退
(
の
)
いたが、
入交
(
いりまじ
)
つたやうに覚えて、
頬
(
ほお
)
の上で再び
一
(
ひと
)
ツ
一
(
ひと
)
ツに分れた。
蠅を憎む記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
入
常用漢字
小1
部首:⼊
2画
交
常用漢字
小2
部首:⼇
6画
“入”で始まる語句
入
入用
入口
入牢
入来
入水
入込
入日
入相
入谷