“いりまじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
入交64.3%
入混7.1%
入間路7.1%
入雑7.1%
混和7.1%
錯綜7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
画家の名を負うたヷン・ダイクの河岸かし凹凸あうとつの多い石畳を踏み、石炭、干魚ほしうを、酒などの匂ひの入交いりまじるのを嗅ぎながら色んな店をのぞいて歩いた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
見世物にはアセチリン瓦斯ガスが、甘いにおいを立ててともされた、昼と夜との境、見世物のイルミネーションと、太陽の残光とが、チロチロ入混いりまじって、群集の顔が、ボンヤリとうすれて行く
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
房総半島に上り、翁は再び望多うまぐさろの笹葉の露を分け進む身となった。葛飾かつしかの真間の磯辺おすひから、武蔵野の小岫ぐきがほとり、入間路いりまじの大家が原、埼玉さきたまの津、廻って常陸の国に入った。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
おや! おや! と飽きれ果てるほどの蝶や蜂のように入雑いりまじり、入乱れて飛び廻るかと思えば、不意に家のなかへ舞込んで来て驚き廻っている小鳥のように、彼の部屋のあらゆるところを飛び廻り
あめんちあ (新字新仮名) / 富ノ沢麟太郎(著)
吉里は平田と善吉のことが、別々に考えられたり、混和いりまじッて考えられたりする。もう平田に会えないと考えると心細さはひとしおである。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
事件は重畳複雑し、義理人情は紛々と錯綜いりまじって自から数奇なる人生の紋様を織り出してゆく。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)