トップ
>
仕出
>
しで
ふりがな文庫
“
仕出
(
しで
)” の例文
「
御前
(
おまへ
)
だつて
満更
(
まんざら
)
道楽をした事のない人間でもあるまい。こんな不始末を
仕出
(
しで
)
かす位なら、今迄折角
金
(
かね
)
を使つた甲斐がないぢやないか」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
よくもわずかの間に、とんでもないことを
仕出
(
しで
)
かしたものだと、むかしの友人のかわりはてた
異様
(
いよう
)
なすがたをながめながら、ケンプ
博士
(
はくし
)
がたずねた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
渠は
私
(
ひそ
)
かに、「こいつに氣違ひ責めにせられ、あいつには刃物責めにせられ、もとはと云へば、たとひおれの
仕出
(
しで
)
かしたことにしろ、たまるものかい」
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
實際困つちまふんだ。君自身ぢや痛快だつたつて云ふが、然し、免職になる樣な事を
仕出
(
しで
)
かす者にや、まあ誰だつて同情せんよ。それで此方へ來るにしてもだ。
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
若しこのまま審理を続けて行ったら、君は職務上実に取り返しのつかぬ失策を
仕出
(
しで
)
かすのだよ。だまされたと思って、僕と一緒に高原療養所へ行って見ないか。
鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
「何んと言う事を
仕出
(
しで
)
かしてくれたのだ、日頃目を掛けてやって居る主人に、恩を仇の振舞ではないか」
新奇談クラブ:03 第三夜 お化け若衆
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
いつも低い垣根の上で執念深く見詰めています。これは用心しなければならないのですが、幸いにSと猫と鼻突き合せているから、まだ何事も
仕出
(
しで
)
かさないのでしょう。
兎と猫
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
其の
折
(
おり
)
は御用多端の事で、御用の
間
(
ま
)
を欠き、不取調べをいたし、左様な者を引いてまいり、
上役人
(
かみやくにん
)
の迷惑に相成る事を
仕出
(
しで
)
かし、御用の間を欠き、
不届
(
ふとゞき
)
の至りと有って
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しかしそんな乱暴が増長すると、しまいにはどんなことを
仕出
(
しで
)
かすか判らない。自分の家へ火でも付けられたら大変だ——わたくしはそんなことも考えるようになりました。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
飛んでもない事を
仕出
(
しで
)
かすような事にならないとも限らないと思ったのであった。
一足お先に
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
親
(
おや
)
にさえ
背
(
そむ
)
いて
折角
(
せっかく
)
三浦
(
みうら
)
の
土地
(
とち
)
に
踏
(
ふ
)
みとどまりながら、
自分
(
じぶん
)
は
遂
(
つい
)
に
何
(
なん
)
の
仕出
(
しで
)
かしたこともなかった!
何
(
な
)
んという
腑甲斐
(
ふがい
)
なさ……
何
(
な
)
んという
不運
(
ふうん
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うえ
)
……
口惜
(
くや
)
しい……
悲
(
かな
)
しい……
情
(
なさ
)
けない……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
いいらぶつ
吃驚
(
たま
)
げた
真似
(
まね
)
仕出
(
しで
)
かし申してのお
前
(
まへ
)
さま。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
目的丈は親切な所も少しあるんだが、
何
(
なに
)
しろ、
頭
(
あたま
)
の
出来
(
でき
)
が甚だ不親切だものだから、碌な事は
仕出
(
しで
)
かさない。
一寸
(
ちよつと
)
見ると、要領を得てゐる。寧ろ得過ぎてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一時の出来心に任せて、とんでもないことを
仕出
(
しで
)
かしてしまったと、僕はどれ程後悔したことでしょう。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
乱心して時々に家を飛び出す男——すでに乱心している以上は何事と
仕出
(
しで
)
かすか判らない。
半七捕物帳:24 小女郎狐
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その扇子は部屋で又市が持っていた事を私は承知して
居
(
い
)
るから、
敵
(
かたき
)
は私の考えでは又市に相違なし、お国表へ立廻る
彼
(
あ
)
アいう悪い心な奴、殊に腕前が宜しいから
何
(
ど
)
んな事を
仕出
(
しで
)
かすかも知れん
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お母さんがいなかったら玲子さんは大変なことを
仕出
(
しで
)
かして
終
(
しま
)
うところだったかも知れないわ。……お母さんは玲子さんよりも年上です。玲子さんよりもズッとよく世間を知っているのですからね。
継子
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
彼には何らの
考
(
かんがえ
)
がなかったごとく、どこの何物とも知れない女から何を
仕出
(
しで
)
かすか分らない人として何のために自分が
覘
(
ねら
)
われるのだか、そこへ行くとやはりまるで要領を得なかった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
実を云うと過去一年間において
仕出
(
しで
)
かした不都合やら義理やら人情やら
煩悶
(
はんもん
)
やらが破裂して大衝突を引き起した結果、あてどもなくここまで落ちて来たのだから、
昨日
(
きのう
)
までの自分の事を考えると
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そうして、この時から態度が変って、前よりは
幾分
(
いくぶん
)
か親切になった。偶然の事がどんな
拍子
(
ひょうし
)
で
他
(
ひと
)
の気に入らないとも限らない。かえって、気に入ってやろうと思って
仕出
(
しで
)
かす芸術は大抵駄目なようだ。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
仕
常用漢字
小3
部首:⼈
5画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“仕出”で始まる語句
仕出来
仕出屋
仕出來