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今昔
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こんじゃく
ふりがな文庫
“
今昔
(
こんじゃく
)” の例文
播州の
室
(
むろ
)
ノ
津
(
つ
)
でも、遊女たちを教化している。当時の遊女たちにも、
今昔
(
こんじゃく
)
のない共通の女の悩みや反省があったことにはちがいない。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
天竺
(
てんじく
)
南蛮の
今昔
(
こんじゃく
)
を、
掌
(
たなごころ
)
にても
指
(
ゆびさ
)
すように」
指
(
さ
)
したので、「シメオン
伊留満
(
いるまん
)
はもとより、
上人
(
しょうにん
)
御自身さえ舌を捲かれたそうでござる。」
さまよえる猶太人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
世継
(
よつぎ
)
物語には「わづか二十ばかりにてぞおはしける」とあり、
今昔
(
こんじゃく
)
には「二十に餘る程」とあるので、二十一二歳であったかと思える。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
若い元気な助手を十数人も使って
活溌
(
かっぱつ
)
な研究生活を続けておられた姿を思ってみると、誠に
今昔
(
こんじゃく
)
の感にたえないものがある。
寺田先生の追憶:――大学卒業前後の思い出――
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
昨今は到るところで満洲の話が出るので、わたしも在満当時のむかしが思い出されて、いわゆる
今昔
(
こんじゃく
)
の感が無いでもない。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
古きは『
今昔
(
こんじゃく
)
物語』、『
宇治拾遺
(
うじしゅうい
)
』などより、天明ぶりの
黄表紙
(
きびょうし
)
類など、種々思ひ出して、立案の助けとなせしが。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
と
古
(
いにし
)
えの
賤
(
しず
)
の
苧環
(
おだまき
)
繰
(
く
)
り返して、さすがに今更
今昔
(
こんじゃく
)
の感に
堪
(
た
)
えざるもののごとく
我
(
わ
)
れと我が額に手を加えたが、すぐにその手を伸して更に一盃を傾けた。
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
今昔
(
こんじゃく
)
の感
坐
(
そぞ
)
ろに
湧
(
わ
)
きて、幼児の時や、友達の事など夢の如く
幻
(
まぼろし
)
の如く、はては
走馬燈
(
まわりあんどん
)
の如くにぞ胸に
往
(
ゆ
)
き
来
(
こ
)
う。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
此処
(
ここ
)
ならば
今昔
(
こんじゃく
)
の思いに逢い語らうこともできたのに、心も知らずに去って行ったことが悲しく身に応え、生絹はなつかしげに闇のあいだに眼を永くとどめた。
荻吹く歌
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
しかしこのような
剽軽
(
ひょうきん
)
な
変化
(
へんげ
)
は、二度と再び出るものではあるまいと当時考えていたから、このたび再び出現したというのをきいては、まことに
今昔
(
こんじゃく
)
の感に堪えない。
しゃもじ(杓子)
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
今昔
(
こんじゃく
)
の感——そういう
在来
(
ありきたり
)
の言葉で一番よく現せる情緒が自然と彼の胸に
湧
(
わ
)
いた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
燈檠
(
とうけい
)
を呼び、雪中松柏を高吟し、男児死すのみを激誦し、その家人を驚かし、その四隣を
惧
(
おそ
)
れしめたる、子爵品川弥次郎の徒をして、回想せしめば、
固
(
まこと
)
に
今昔
(
こんじゃく
)
の感に堪えざるものあらん。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
それが天下晴れて教室を
燻
(
くす
)
べながら旧師と語るのだから
今昔
(
こんじゃく
)
の感がある。
母校復興
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
陛下をめぐる人々からそんなお噂も出たりするほど、ここは
昔日
(
せきじつ
)
の皇居ではなかった。まことに
今昔
(
こんじゃく
)
の感がふかい。
随筆 私本太平記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一度などは御二人で、私を御側近く御呼びよせなさりながら、
今昔
(
こんじゃく
)
の移り変りを話せと申す御意もございました。確か、その時の事でございましょう。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
電子に波動性があるというまるで夢のような話が、その後二十年ばかりの間に、原子爆弾にまで発展したのである。
正
(
まさ
)
に
今昔
(
こんじゃく
)
の感にたえないものがある。
日本のこころ
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
侍従の君のことが原因で病死したと云う
今昔
(
こんじゃく
)
の記事に従えば、何となく平中の方が
時平
(
しへい
)
より先に死んだような感じを受けるが、前掲の後撰集の
詞書
(
ことばがき
)
などを読むと
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
源氏以外の文学及びまた更に下っての
今昔
(
こんじゃく
)
、
宇治
(
うじ
)
、
著聞集
(
ちょもんじゅう
)
等の雑書に就いて
窺
(
うかが
)
ったら、如何にこの時代が、魔法ではなくとも少くとも魔法くさいことを信受していたかが知られる。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
窓際
(
まどぎわ
)
を枕に寝ていたので、空は蚊帳越にも見えた。
試
(
ためし
)
に赤い
裾
(
すそ
)
から、頭だけ出して
眺
(
なが
)
めると星がきらきらと光った。自分はこんな事をする間にも、下にいる岡田夫婦の
今昔
(
こんじゃく
)
は忘れなかった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あの
今昔
(
こんじゃく
)
物語や
宇治拾遺
(
うじしゅうい
)
物語に出ている有名な逸話は、多分その頃の出来事だったのであろう。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
時々その本を
覗
(
のぞ
)
いてみると、
今昔
(
こんじゃく
)
の感にたえないくらい子供向きの良い本が沢山出ているようである。しかしああいう良い本ばかりでは少し可哀そうな気がしないでもない。
『西遊記』の夢
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「僕はそいつを見せつけられた時には、実際
今昔
(
こんじゃく
)
の感に堪えなかったね。——」
一夕話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“今昔”の意味
《名詞》
今と昔。
(出典:Wiktionary)
今
常用漢字
小2
部首:⼈
4画
昔
常用漢字
小3
部首:⽇
8画
“今昔”で始まる語句
今昔物語