今日此頃けふこのごろ)” の例文
打つて變りし瀧口が今日此頃けふこのごろの有樣に、あれ見よ、當世嫌ひの武骨者ぶこつものも一度は折らねばならぬ我慢なるに、笑止や日頃ひごろ吾等を尻目に懸けて輕薄武士と言はぬ計りの顏
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
今日此頃けふこのごろ全盛ぜんせい父母ふぼへの孝養こうよううらやましく、おしよくとほあねの、いのらいのかずらねば、まちびとふるねづみなき格子かうし呪文じゆもんわかれの背中せな手加减てかげん秘密おくまで、たゞおもしろくきゝなされて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なかのよれるやうな可笑をかしきことをば眞面目まじめりておつしやりしものなれども、今日此頃けふこのごろのおひとるさ、くいほどお利口りこうことばかりおあそばして、わたしのやうな世間見せけんみずをばひらんでまるめて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わたくしをば母親はゝおやおもざしるにかんたねとてせつけもいたされず、朝夕あさゆふさびしうてくらしましたるを、うれしきことにていまわたくしわがまゝをもゆるたまひ、おもことなき今日此頃けふこのごろ、それは勿體もつたいないほどの有難ありがたさも
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)