“幾何”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いくばく48.7%
いくら35.8%
きか8.8%
いくつ2.6%
いか0.5%
いかばかり0.5%
いかほど0.5%
いくだ0.5%
そこばく0.5%
どれ0.5%
どれほど0.5%
なにがし0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いよ/\城の運命が幾何いくばくもないことを悟って、八歳になる嫡男と六歳になる姫君とを、乳人めのとに預けてひそかに或る方面へ落してやった。
『然う?』と、靜子は解きかけたネルの單衣にものさしを使つて見て、『七寸……六分あるわ。短かゝなくつてよ、幾何いくら電信柱さんでも。』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
つまり数学と英語と二つの敵を一時に引き受けたからたまらない、とうとう学年試験の結果幾何きか学の点が足らないで落第した。(六月十四日)
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
「若い人は活気があつてい。時に君は幾何いくつですか」と聞いた。三四郎は宿帳へ書いた通りを答へた。すると
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
幾何いかばかりの悲哀かなしみでありませうか
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ふ可くんば、宮はおのれが美しさの幾何いかばかり値するかを当然に知れるなり。彼の美しさを以てしてわづか箇程かほどの資産をぎ、類多き学士風情ふぜいを夫に有たんは、決して彼が所望のぞみの絶頂にはあらざりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
私の企てた間断なき努力も、上人の残した仕事の前に立って、幾許いくばくの量を示し、幾何いかほどの深さを告げ得るでしょう!
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
かれ相感でて共婚まぐはひして、住めるほどに、いまだ幾何いくだもあらねば、その美人をとめはらみぬ。
こうした泣き笑いに似た気もちから、大工伊兵衛を親元として、みずから幾何そこばくの金でまつ川へ身を売ってきた夢八のお艶であった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
幸ひ貴方が話したい事が有るといはるる、善し、あの様に間をいつはつた貴方じや、又僕を幾何どれほど詐ることぢやらう、それを聞いた上で、今日こそは打踣うちのめしてくれやうと待つてをつた。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
Jesuヂェシュー Mariaマリヤ! どれほどにがみづその蒼白あをじろほゝをローザラインのためあらうたことやら? 幾何どれほど鹽辛水しほからみづ無用むだにしたことやら
なあに、おれはあの會計係に逢つて、あの吝嗇坊けちんばう野郎を拜みたほして、あはよくば幾何なにがしか月給の前借まへがりをする期待あてでもなかつたなら、どうして役所へなんぞ行つてやるものか。
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)