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めはなだ
髪はまだ
下さないで、
金襴、
染絹の衣、
腺病質のたちと見え、
透き通るばかり青白い
肌に、切り
込み過ぎたかのようなはっきりした
眼鼻立ち、男性的な
鋭い美しさを持つ青年でした。
それからお
顔は、どちらかといえば
下ぶくれの
面長、
眼鼻立ちの
中で
何所かが
特に
取り
立てて
良いと
申すのではなしに、どこもかしこもよく
整った、まことに
品位の
備わった、
立派な
御標致
夕間暮なる
眉の
影、
鬢の
毛も
縺れたが、
目鼻立ちも
判明した、
容色のいゝのを
一目見ると、
呀、と
其處へ
飛脚が
尻餅を
搗いたも
道理こそ。
一昨年亡くなつた
女房であつた。
たゞ
玉の
緒のしるしばかり、
髮は
絲で
結んでも、
胡沙吹く
風は
肩に
亂れた、
身は
痩せ、
顏は
窶れたけれども、
目鼻立ちの
凛として、
口許の
緊つたのは、
服裝は
何うでも
日本の
若草。