“へめぐ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
経巡31.8%
経歴18.2%
経廻15.9%
遍歴13.6%
經廻4.5%
巡廻2.3%
歴巡2.3%
歴環2.3%
経囘2.3%
経回2.3%
經𢌞2.3%
遍巡2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
父は善根ぜんこんの深い人で、四国、西国の霊場を経巡へめぐ遍路へんろの人達のために構えの一棟を開放し善根の宿に当てていた。
抱茗荷の説 (新字新仮名) / 山本禾太郎(著)
私はまだこれから、いろいろの朝と夜とで満ちた命の間に、日の光りさえ及ばぬ遠国のはてまでも経歴へめぐって、とうとい秘密が草木の若芽にも輝く御山を求めに行かねばなりませぬ。
道成寺(一幕劇) (新字新仮名) / 郡虎彦(著)
京都では父の御機嫌伺いをするだけで、その日のうちに奈良へ行き、二三日間春の大和路やまとじ経廻へめぐりたいと思っていること、ただしこれは自分だけの考なので
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
小「はい、九州辺を遍歴へめぐって余程長旅を致し、久々にて御府内へ立帰った身の上でございます」
されば櫻木大佐さくらぎたいさふたゝ日本につぽんかへつたものとすれば、その勳功くんこう日月じつげつよりもあきらかにかゞやきて、如何いかわたくしたびからたびへと經廻へめぐつてるにしてもその風聞ふうぶんみゝたつせぬことはあるまい
数番の舞踏済みて、ひたひに加ふる白手巾ハンケチ、胸のあたりにひらめく扇、出でゝラムネを飲むあれば、彼方此方と巡廻へめぐりて、次の番組の相手を求むあり。
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
当初蹈鞴たたらを取り扱いし種族は普通の農民より智巧の優越せる外来人で、需要に応じ天下を歴巡へめぐっていた者らしく、地中においてその技術を行うの風があったため
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ことごとく眼前めさきに浮んで、それが我膳の前へ坐った始めから、三丁来た角で車が別れた終りまで、何遍となく何十遍となく何百遍となく、繰返し繰返し肚裡はらのうち歴環へめぐって居る
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
あまつさえ飯島を手に掛け、金銀衣類を奪い取り、江戸を立退たちのき、越後の村上へ逃出しましたが、親元絶家ぜっけして寄るべなきまゝ、段々と奥州路を経囘へめぐりて下街道しもかいどうへ出て参り此の栗橋にてわずらい付き
「おゝ、この唇の艶やかさは、翼ある馬に跨がつて万里の海底を経回へめぐらうとも得難き一片の貝殻である。」
夜の奇蹟 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
われは大統領ドオジエたち輪奐りんくわんの美をたづねて、その華麗を極めたるむなしき殿堂を經𢌞へめぐり、おそろしきいき地獄の圖ある鞠問所きくもんじよを觀き。われは彼四面皆ふさがりたる橋の、小舟通ふ溝渠の上に架せられたるを渡りぬ。
何がなおもしろい職を得たいものと、まず東京じゅうを足にかして遍巡へめぐり歩いた。そして思いついたのは新聞売りと砂書き。
非凡なる凡人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)