“はくし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
白紙38.9%
博士33.3%
白氏8.3%
薄紙5.6%
白詩2.8%
伯氏2.8%
柏子2.8%
白糸2.8%
薄志2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「明けても駄目です。或る仕掛がしてあるので、今夜九時にならないと、文字が出て来ません。今御覧ごらんになっても白紙はくしですよ」
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「ははあ、きみではないんだね、いもうとさんにか……じゃ、どんな、人形にんぎょうがいいだろうかな。」と、博士はくしは、あたまをかしげてかんがえました。
銀河の下の町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ある時翁の物がたりに、此ほど白氏はくし文集を見て、老鶯らうあういひ病蚕びやうさんといへる言葉のおもしろければ
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
人々には少しも気分にさはりなきむねを答へ、胸の苦痛を忍び/\て、只管ひたすら母上の全快を祈る程に、追々おひ/\薄紙はくしぐが如くにえ行きて、はては、とこの上に起き上られ、せふ月琴げつきんと兄上の八雲琴やくもごとに和して
母となる (新字旧仮名) / 福田英子(著)
つまり、「頭陀の法を学ばざれば、前よりの心安んぞ忘るべけん」と云う白詩はくし示唆しさに従った訳なので、それは父の死ぬ一年ほど前、滋幹が七つぐらいの時のことであった。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
と、老人が又白詩はくしを唱えた。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
あの人は大夫伯氏はくしの罪をただして、その領地であった駢邑へんゆう三百里を没収したが、当の伯氏は、その後やっとかゆをすするほどの困りかたであったにもかかわらず
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
この薬泉に沐浴ゆあみして、薤葉かいようの葉を噛み、芸香うんこうの根を啜り、或いは、柏子はくしの茶、松花のさいなど喰べると、重き者も血色をよび返し、軽き者は、即座に爽快となって、歓語かんご、谷に満ちた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おぼえがあるはづなれど一々申さねばおわかりになるまじ、お身寄みよ便たよりのなきおまへさまのあんじて、ひとをしへが肝賢かんじんのものなるにはヾそのさまなどはいま白糸はくしなんいろにもまりやすければ
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さて心の剛柔ごうじゅうとは、すでに前に女という字についていえるごとく、善意にも悪意にも解せられる。剛が過ぎれば剛情となり、頑固がんことなり、意気地いきじとなる。柔に過ぐれば木偶でくとなり、薄志はくし弱行となる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)