博士はくし)” の例文
それはわたしの留学中に新聞に掲載された本田博士はくしの南洋及び中国視察談である。この博士は支那語も馬来マレイ語もわからなかった。
頭髪の故事 (新字新仮名) / 魯迅(著)
「ははあ、きみではないんだね、いもうとさんにか……じゃ、どんな、人形にんぎょうがいいだろうかな。」と、博士はくしは、あたまをかしげてかんがえました。
銀河の下の町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
博士はくし全身ぜんしんが、さっとひいていくようだった。かれの頭には、その時、夕方書斎しょさいできいたピストルの音が、ありありとかんでいた。
いっぽう、アメリカでは、ニューヨークの大病院の、もっとも進歩した機械と、外科げか部長の、世界に名をしられた博士はくしが、消えてなくなったのです。
宇宙怪人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
こないだなんとか云う博士はくしの説だと云うので、こんな事が書いてありましたっけ。個人主義は西洋の思想で、個人主義では自己を犠牲にすることは出来ない。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
しやく、男しやくろう政客、天文學博士はくし實業じつげう家など、藝苑げいえんでは一時てきに中村時ぞうや千早智さち子などもんでゐたし、シロタやトドロヰッチ夫人のピアノ彈奏だんそうを立ち聽きした事もあるし
審美学者ギヨオは有名なる其の著述「社会学上より見たる芸術」の巻末に於て犯罪者の心理に関するロンブロゾ博士はくしの所論を引用して、悪人は一種恐しい虚栄心を持つてゐるもので
虫干 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「表象無くんば自我意識無し」元良もとら博士はくしのこの一句のなかには深遠な造蓄が含まれている。認識には当然ある種の情緒と意欲とを伴う。これらの者の統合がすなわち自我ではないか。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
あれこそイワノフ博士はくしの『人造人間ロボットの家』なのである。
人造人間エフ氏 (新字新仮名) / 海野十三(著)
老いし博士はくし郡長こほりおさ、 やゝ凄涼のおもひなり。
文語詩稿 五十篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
博士はくしはぶつぶつ言いながら、ひょいと身をかがめて、そのしみをながめた。しみは、ちょうどかわきかけた血のように見えた。
「そして、みっちゃん、その博士はくしが、おれいにきれいなお人形にんぎょうおくってくださる約束やくそくをしたんだよ。みっちゃん、たのしみにして、っておいで。」と、信吉しんきちはいいました。
銀河の下の町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
博士はくしは、とくいのようすだ。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
博士はくしの家は町をみおろす、おかのうえに建っている。そこからは、丘のふもとの『ぎんねこ』酒場さかばや、バスの停留所ていりゅうじょが、ひと目でみることができた。
博士はくしは、信吉しんきちはしっていったみちを、いそがずにむらほうへとあるいてゆきました。そして、かきのしたって、っていると、信吉しんきちは、ちいさな紙箱かみばこかかえてもどってきました。
銀河の下の町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
イワノフ博士はくし
人造人間エフ氏 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「なにか、あたらしい発見はっけんをして、博士はくしになろう。」と、学者がくしゃ希望きぼうえていました。
なまずとあざみの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)