“事故”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ことゆえ40.7%
ことゆゑ14.8%
じこ14.8%
こと11.1%
わけ7.4%
ことがら3.7%
ことわけ3.7%
よし3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
手桶ておけ薬缶抔やかんなどげたる人だち我も我もと押し掛くる事故ことゆえ我ら如き弱虫は餓鬼道の競争に負けてただしりごみするのみなれば何時飯を
従軍紀事 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
戀しき時にお姿をかきても慰さめられまする事故ことゆゑといはれて、與之助あとは聞くことの出來ず、一人胸のうちに泣きける
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
光吉こうきちの父親は鉄道の駅員えきいんだったが、五年まえに事故じこのために殉職じゅんしょくした。その後、母は、女手おんなでひとつで光吉こうきちをいままでそだててきたのだった。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
午後四時に私は岡田と交代して改札口を出ると今朝大騒ぎのあった隧道のところにまた人が群立って何か事故ことありげに騒いでいる。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
誰でもそうにきまってる。だから、察している。君の事情とおれの事情とは、どのくらい違うか知らないが、何しろ察している。とがめやしない。同情する。深い事故わけもあるだろう。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
付て參りし所淺草福井町とやら申町迄いたり其所の路次ろじへ入候は最早もはや丑刻頃やつどきごろとも覺敷おぼしく候に付其夜は外にて夜をあかし翌朝右の駕籠屋へ參り段々相尋あひたづね委細ゐさい事故ことがら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その内私は加藤の家の主婦にも事故ことわけを話して点燈ひともしごろから、ちょうど今晩嫁を迎えるような気分でいそいそとして蠣殻町までお宮を迎えにいった。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
此消息このせうそく人目ひとめせきはヾかりもなく、玉簾たまだれやすやすえて、るは邂逅たまなる令孃ひめ便たよりをさとし日毎ひごとるばかり、事故よしありげなるこヽろそこも、此處こヽにはじめて朧々おぼろ/\わかれば
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)