事故じこ)” の例文
光吉こうきちの父親は鉄道の駅員えきいんだったが、五年まえに事故じこのために殉職じゅんしょくした。その後、母は、女手おんなでひとつで光吉こうきちをいままでそだててきたのだった。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
途中とちゆう事故じこがあつて、ちやく時間じかんめづらしく三十分程ぷんほどおくれたのを、宗助そうすけ過失くわしつでゞもあるかのやうに、待草臥まちくたびれた氣色けしきであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
またその人を非難すべきにあらずといえども、榎本氏の一身はこれ普通の例を以ておおうべからざるの事故じこあるがごとし。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
三人は手島の来ぬ事故じこを語った。抽斎は信ぜないといった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
宗助そうすけういふふうに、なん事故じこ出來できて、役所やくしよ退出ひけからすぐほかまはつておそくなる場合ばあひには、何時いつでもその顛末てんまつ大略たいりやくを、歸宅きたく早々さう/\御米およねはなすのをれいにしてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)