高尚けだか)” の例文
れよりおこりし生道心なまだうしんなどならば、かへすがへすあさましきことなり、だい一は不憫ふびんのことなり、中々なか/\高尚けだかこヽろもちそこねて、魔道まだう落入おちいるは我々われ/\書生しよせいうへにもあるを
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
高尚けだかきに気を打たれ、円き眼をみはりて見詰めゐたりしが、再び老女に
磯馴松 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
誠に品の高尚けだかい顔。
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
かへ團扇うちはおもひをせしときくからず打笑うちゑみし口元くちもとなんど、たゞさきたりて、らず沈思瞑目ちんしめいもくすることもあり、さるにても何人なにびと住家すまゐにや、人品ひとがら高尚けだかかりしは
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
白粉おしろいにはあるまじきいろしろさ、衣類きものなにとむるもなけれど、くろちりめんの羽織はおりにさらさらとせし高尚けだか姿すがた、もしやとさとしわれらずせば、さてこそひきこむ門内もんないくるまなんにふれてか
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)