靈山れいざん)” の例文
新字:霊山
もしたましひ拔出ぬけいでたらんか、これ一顆いつくわ碧眞珠へきしんじゆに、露草つゆくされるなるべし。ひともしあだあらば、みなやいばつてかたきたん。靈山れいざん汽車きしやせまれり。——山北やまきた——山北やまきた——
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
釋迦佛は靈山れいざんより御手みてをのべて、御頂おんいたゞきをなでさせ給ふらん、南無妙法蓮華經南無妙法蓮華經。
始め村中のあつき思しめしの程は有難ありがたく幼年のわたくしの身に取ては此上もなき仕合しあはせに存じ奉つり早速さつそく御受すべき處なれど師匠ししやう存命中ぞんめいちう申聞せ候にはおよそ山伏やまぶしと云者は日本國中の靈山れいざん靈場れいぢやうめぐ難行苦行なんぎやうくぎやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
天竺てんぢく靈山れいざん此處に來れり。唐土たうど天台山てんだいざんまのあたりここに見る。我が身は釋迦佛にあらず、天台大師てんだいだいしにてはなし。然れども晝夜ちうやに法華經をよみ、朝暮てうぼ摩訶止觀まかしくわんを談ずれば、靈山淨土にも相似たり。
さて徳太郎君は和歌山わかやま城下じやうかは申すにおよば近在きんざいなる山谷さんこく原野げんやへだてなく駈廻かけめぐりて殺生せつしやう高野かうや根來等ねごろとう靈山れいざんのちには伊勢いせ神領しんりやうまであらさるゝゆゑ百姓共迷惑めいわくに思ひしが詮方せんかたなく其儘そのまゝ捨置すておきけりこゝに勢州阿漕あこぎうらといふは往古わうこより殺生禁斷せつしやうきんだんの場なるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)