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錦手
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にしきで
ふりがな文庫
“
錦手
(
にしきで
)” の例文
と中田千股という人が取次ぎますと、結構な
蒔絵
(
まきえ
)
のお台の上へ、
錦手
(
にしきで
)
の結構な
蓋物
(
ふたもの
)
へ水飴を入れたのを、すうっと持って参り
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それが
譬
(
たと
)
えていえば、小川に洗われて底に沈んでいる陶器の破片が
染付
(
そめつけ
)
や
錦手
(
にしきで
)
に
彩
(
いろど
)
られた草木
花卉
(
かき
)
の模様、アラベスクの鎖の一環を反映屈折させて
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
青磁
(
せいじ
)
、
赤江
(
あかえ
)
、
錦手
(
にしきで
)
の
皿小鉢
(
さらこばち
)
、
角
(
かど
)
の
瀬戸
(
せと
)
もの
屋
(
や
)
がきらりとする。
横町
(
よこちやう
)
には
斜
(
なゝめ
)
に
突出
(
とつしゆつ
)
して、
芝居
(
しばゐ
)
か、
何
(
なん
)
ぞ、
興行
(
こうぎやう
)
ものの
淺葱
(
あさぎ
)
の
幟
(
のぼり
)
が
重
(
かさ
)
なつて、ひら/\と
煽
(
あふ
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
真鍮の
大
(
だい
)
の燭台を
三
(
み
)
組、
中
(
ちう
)
を
五
(
いつ
)
組、銅の燭台を
三
(
み
)
組、
大大
(
だいだい
)
のおらんだの皿を
三
(
さん
)
枚、
錦手
(
にしきで
)
の皿を三十枚、ぎやまんの皿を百人前、
青磁
(
せいじ
)
の茶碗を百人前、煙草盆を
十個
(
とを
)
。
住吉祭
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
慣
(
なら
)
わしとして前のものを「
染附
(
そめつけ
)
」または「
呉州
(
ごす
)
」といい、後のものを「
赤絵
(
あかえ
)
」とか「
上絵
(
うわえ
)
」とか呼びます。よく寿司屋が用いる「
錦手
(
にしきで
)
」の皿や鉢は皆赤絵であります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
▼ もっと見る
錦手
(
にしきで
)
の
佳
(
い
)
い葢物ですね、是は師匠が
大好
(
だいすき
)
でげす、
煎豆腐
(
いりどうふ
)
の中へ
鶏卵
(
たまご
)
が入って黄色くなったの、誠に有難う、師匠が大好
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
片手を添えて、捧げたのは、
錦手
(
にしきで
)
の中皿の、半月
形
(
なり
)
に
破
(
わ
)
れたのに、小さな口紅三つばかり、
裡
(
うち
)
紫の壺
二個
(
ふたつ
)
。……その欠皿も、
白魚
(
しらお
)
の指に、
紅猪口
(
べにちょく
)
のごとく蒼く輝く。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
出て来ると
楊枝箱
(
ようじばこ
)
に
真鍮
(
しんちゅう
)
の大きな
金盥
(
かなだらい
)
にお湯を
汲
(
と
)
って
輪形
(
りんなり
)
の大きな
嗽
(
うが
)
い茶碗、これも
錦手
(
にしきで
)
か何かで
微温
(
ぬるま
)
の頃合の湯を取り、焼塩が少し入れてあります。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
さて、お
肴
(
さかな
)
には何がある、
錦手
(
にしきで
)
の鉢と、塗物の
食籠
(
じきろう
)
に、綺麗に飾って、水天宮前の小饅頭と、
蠣殻町
(
かきがらちょう
)
の
煎豌豆
(
いりえんどう
)
、先生を困らせると昼間いったその日の土産はこれで。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
餌食がその柔かな白々とした手足を解いて、木の根の
塗膳
(
ぬりぜん
)
、
錦手
(
にしきで
)
の
木
(
こ
)
の葉の小皿盛となるまでは、精々、咲いた花の首尾を守護して、夢中に躍跳ねるまで、
楽
(
たのし
)
ませておかねばならん。
紅玉
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
餌食が其の柔かな
白々
(
しろじろ
)
とした手足を
解
(
と
)
いて、木の根の
塗膳
(
ぬりぜん
)
、
錦手
(
にしきで
)
の
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
の
小皿盛
(
こざらもり
)
と成るまでは、
精々
(
せいぜい
)
、咲いた花の首尾を守護して、夢中に
躍跳
(
おどりは
)
ねるまで、
楽
(
たのし
)
ませて置かねば成らん。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
錦
常用漢字
中学
部首:⾦
16画
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
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錦手大丼