しこ)” の例文
宛ながら足の四本に止まるをうらむが如く、一口ひとくちに他の犬をうてしまうことが出来ぬを悲しむ如く、しこ壮夫ますらおデカ君が悲鳴をあげつゝ追駈おっかける。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
はいなしこめ醜めききたなき國に到りてありけり。かれ吾は御身おほみまはらへせむ」とのりたまひて、竺紫つくし日向ひむかの橘の小門をど阿波岐あはぎに到りまして、みそはらへたまひき。
散りこすなゆめと言ひつゝ、幾許こゝだくるものを、うたてきやしこほとゝぎす、あかつき心悲うらかなしきに、追へど追へど尚ほし鳴きて、いたづらに地に散らせれば、すべをなみぢて手折たをりて、見ませ吾姉子あぎもこ
浮標 (新字旧仮名) / 三好十郎(著)
しこ御楯みたてといでたつ我は。大君のへにこそ死なめかへりみはせじ。若者達は花と散ったが、同じ彼等が生き残って闇屋やみやとなる。ももとせの命ねがはじいつの日か御楯とゆかん君とちぎりて。
堕落論 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
大皇おほきみしこの御楯といふものはかかるものぞと進め眞前まさきに (同)
愛国歌小観 (旧字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
楢の木ぞ何にもならぬしこの木と古りぬる木々をみな枯らしたり
みなかみ紀行 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
かげふかきしこ土竜もぐらつちやぐらたたきうちこぼち日にさらすべし
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
まかすべき しこえに
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大君の しこ御楯みたて
海野十三敗戦日記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
荒びなす、しこ醜臣しこおみ
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
血を流し汝等なれらあるべし音のみかその頭割づわりよきしこの鉢金
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
しこしこぐさ世に満ちて
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しこつ神、追ひ挑むと
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
しこぐさ
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しこつ神、追ひ挑むと
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)