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遭
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お
ふりがな文庫
“
遭
(
お
)” の例文
何しても絶代の明師が不測の難に
遭
(
お
)
うて
遠流
(
おんる
)
の途に上るのだから、貴賤道俗の前後左右に走り従うもの何千何万ということであった。
法然行伝
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
太上老君
(
たいじょうろうくん
)
の
八卦炉
(
はっけろ
)
中に焼殺されかかったときも、銀角大王の
泰山
(
たいざん
)
圧頂の法に
遭
(
お
)
うて、泰山・
須弥山
(
しゅみせん
)
・
峨眉山
(
がびさん
)
の三山の下に
圧
(
お
)
し
潰
(
つぶ
)
されそうになったときも
悟浄歎異:―沙門悟浄の手記―
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「……あてなあ、今大阪の南の方にいるねんけど、えらい目に
遭
(
お
)
うてしもて、……着物盗まれてしもてん。」「
何
(
なん
)
やて、着物を?……あんた何してたん?」
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
まして、家人たちが、神隠しに
遭
(
お
)
うた姫を、探しあぐんで居ようなどとは、思いもよらなかったのである。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
加賀の某郡の
下衆
(
げす
)
七人一党として兵仗を具えて海に出で釣りを事とす、ある時風に
遭
(
お
)
うて苦しむと遥かに大きな島ありて、人がわざと引き寄するようにその島に船寄る
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
……あれは
魂
(
たま
)
ごいの
験者
(
げんじゃ
)
どもが、どこぞの山へ、
山籠
(
やまごも
)
りの行に出掛けて行くのだ。誰やら神隠しにでも
遭
(
お
)
うた人々のあくがれ迷う魂を尋ねて、山へ呼ばいに行くところなのだ。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
兼道も、あの家は
正暦
(
しょうりゃく
)
年間より一度も火災に
遭
(
お
)
うたこともないめでたい家、住み古したれど、当座のご用に献じたいと申し立ておるとか。……そう致したら工事は幾日で出来あがるな
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
科学知識の無上の大光明に照らされる時節に
遭
(
お
)
うても、
遂
(
つい
)
にその魔力を
喪
(
うしな
)
わないどころか、
却
(
かえ
)
ってその怪作用を数層倍してその両博士の全生涯をアラユル方向に
蹂躙
(
じゅうりん
)
し嘲弄している。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
誰か
凋落
(
ちょうらく
)
の秋に
遭
(
お
)
うては
酸鼻
(
さんび
)
せざらん。人生酔うては歌い、醒めては泣く、
就中
(
なかんずく
)
余は
孤愁
(
こしゅう
)
極
(
きわま
)
りなき、漂浪人の胸中に思い到る
毎
(
ごと
)
に堪えがたき哀れを感じて、無限の同情を捧ぐるのである。
面影:ハーン先生の一周忌に
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
何うたって何うにも
彼
(
こ
)
うにも
酷
(
ひど
)
い目に
遭
(
お
)
うたぜ、
私
(
わし
)
ア縁の下に隠れて、
然
(
そ
)
うしてお前様
死人
(
しびと
)
とは知らぬから先に逃げた奴が隠れて居ると思うたから、
其奴
(
そいつ
)
の帯を
掴
(
つか
)
んでちま/\と隠れて居ると
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私は誰の
恨
(
うら
)
みを受けてこのような目に
遭
(
お
)
うたのか知れぬがほんとうの心を打ち明けるなら今の姿を
外
(
ほか
)
の人には見られてもお前にだけは見られとうないそれをようこそ察してくれました。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
それへ来たのはどなた様じゃ! もしやこのばばが日頃信仰する
観世音菩薩
(
かんぜおんぼさつ
)
の
化身
(
けしん
)
ではお
在
(
わ
)
さぬか。あわれ、お助けなされませ。——
外道
(
げどう
)
のために、この難儀な目に
遭
(
お
)
うた
不愍
(
ふびん
)
なばばを!
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
言いたい
傍題
(
ほうだい
)
な事を言って居る人々も、たった此一つの話題を持ちあぐね初めた頃、噂の中の大師
恵美朝臣
(
えみのあそん
)
の姪の
横佩家
(
よこはきけ
)
の
郎女
(
いらつめ
)
が、神隠しに
遭
(
お
)
うたと言う、人の口の端に、
旋風
(
つじかぜ
)
を起すような事件が
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
「いやひどい目に
遭
(
お
)
うた。しかしこの荒天も暁までには収まるだろう」と、諸大将と共に語り合っていたが、それまた
束
(
つか
)
の
間
(
ま
)
であった。深夜に至ってからこの
暴風雨
(
あらし
)
の中を二騎の早打ちが着いて
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「………えらい目に
遭
(
お
)
うたけど、板倉に助けて貰うてん」
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
遭
常用漢字
中学
部首:⾡
14画
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逢遭
難遭
遭難船
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遭難民
遭遇談
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遭汚
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行遭
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或遭王難苦
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