おほ)” の例文
與助 それもうまく逃げおほせればいゝが、途中でつかまつたが最後、罪はいよ/\重くなるばかりだ。
権三と助十 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
浮世うきよよくかねあつめて、十五ねんがほどの足掻あがきかたとては、ひとには赤鬼あかをに仇名あだなおほせられて、五十にらぬ生涯しようがいのほどを死灰しくわいのやうにおはりたる、それが餘波なごり幾万金いくまんきんいま玉村恭助たまむらけうすけぬしは
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
酒の名をひじりおほせしいにしへおほひじりことのよろしさ (巻三・三三九)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
抱いだりおほたり
第一義の道 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
さにづらふ 君が御言みことと 玉梓たまづさの 使も來ねば 思ひやむ わが身一つぞ ちはやぶる 神にもなおほせ 卜部うらべせ 龜もな燒きそ こほしくに いたきわが身ぞ いちじろく 身にしみとほり むらぎもの 心くだけて 死なむ命 俄かになりぬ いまさらに 君か
伊勢物語など (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
あざむおほすべけれどもこゝに一ツの難儀なんぎといふは師匠ししやうの口から彼者は幼年えうねんの内斯樣々々かやう/\にて某し養育やういくせし者なりと云るゝ時は折角せつかくたくみも急ちやぶるゝに相違なし七歳より十二歳まで六ヶ年が其間そのあひだ養育の恩は須彌しゆみよりも高く滄海さうかいよりも深しと雖ども我大望わがたいまうには替難かへがたし此上は是非に及ばず不便ふびんながらも師匠の感應院を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)