貞節ていせつ)” の例文
質請しちうけして御主人をあたゝかにやすませられよほかに思案は有まじと貞節ていせつを盡して申を聞き喜八も涙を流して其志操そのこゝろざしかんわづか二分か三分の金故妻を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「その上、かたきの娘お清に夢中になつて、自分の女房——あの貞節ていせつなお初までも殺してしまつたのは、何んといふ人非人の仕業だ」
……そこにおにゃったるロミオこそはヂュリエットがたゞしいをっと、またそこにおにゃったるヂュリエットこそはそのロミオが貞節ていせつなる宿やどつま二人ふたりめあはしたは手前てまへ
さればとて香爐峯かうろほうゆきみすをまくの才女さいぢよめきたるおこなひはいさゝかも深窓しんそうはるふかくこもりて針仕事はりしごと女性によしやう本分ほんぶんつく心懸こゝろがまこと殊勝しゆしようなりき、いへ孝順かうじゆんなるはいでかならず貞節ていせつなりとか
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
忘れ彼是難澁なんじふ申懸まをしかけいたし且又道中にて野尻宿與惣次召仕めしつかへの下女專と申者と密通みつつう致し叔母女房留守中貞節ていせつを相守候者を彼是惡名を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
モン長 いや、こなたよりはまだまゐらするものがおぢゃる。吾等われら純金じゅんきんにてひめざうまうし、このヹローナがおな呼名よびならるゝかぎり、貞節ていせつなヂュリエットどのゝ黄金こがねざうをば上無うへな記念かたみあがめさせん。
赤坂傳馬町二丁目長助店元麹町三丁目浪人藤崎道十郎後家願人みつ 其方儀願ひ出候目安めやす取調とりしらべる處事實じじつ相違さうゐ無之これなくかつ永年えいねんをつと無實むじつ罪科ざいくわあひしをなげかはしく心得貞節ていせつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)