訓戒くんかい)” の例文
ですからことわざは、命令めいれい意義いぎから、だん/\變化へんかして、社會的しやかいてき訓戒くんかいあるひは、人間にんげんとしてのこゝろがけをくといふ方面ほうめんに、意味いみ變化へんかしてました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
次の時代に生れて来る若いものゝ身のうへきはめて無頓着むとんちやく訓戒くんかい批評する事のできる便利な性質を持つてゐるものだ
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
一八郎の訓戒くんかいを思いだし、目をつぶるように気を持って、バラバラッと、早足に駈けだしてしまった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
縁側を通る姿が見えたので、丁度考えていた折から一つ訓戒くんかいを加える気になったのである。
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
そして彼は娘のその肉体にかりそめの訓戒くんかいをもたらすだけの残酷さにも堪え得なかった。
道鏡 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
兵達を立たせ、そして私が一席の訓戒くんかいを加えることを、吉良兵曹長は予期したのだろうか。あるいは兵隊に苦痛をあたえたことだけで事足りたであろうか。私には判らなかった。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
終りに述べる僕の実験談は普通に言う逆上のぼせるのとは違うけれども、その性質においては同じであるし、かつ僕に取っては逆上の訓戒くんかいとしてしばしば記憶にのぼる経験であるから
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
そしてロチスター氏に別れをげる爲めに待つこともしないで、彼等は廣間の入口から出て行つてしまつた。牧師は彼の教區民に、訓戒くんかい叱責しつせきか、短い言葉を告げる爲めに留つた。
つたふるところ怪異くわいいしよおほくは徳育とくいくのために、訓戒くんかいのために、寓意ぐういだんじて、勸懲くわんちやうとなすにぎず。けだをしへのために、鬼神きしんわづらはすものなり人意じんいいづくん鬼神きしん好惡かうをさつむや。
怪談会 序 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
宗助そうすけはそれを普通ふつう普通ふつうおや訓戒くんかいときごとくにいた。ちゝまた
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それはわたしをうたがわないように、訓戒くんかいしてやるためであった。
薄気味うすきみわるい表情と口調とで、訓戒くんかいを与えるのだった。
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)
紙を粗末にせぬようにと、長々と訓戒くんかいを述べて
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
信長はよくそんなことを左右に語って、自分のいましめともし、また部将をも暗に訓戒くんかいしていた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、訓戒くんかいのことばをのべた。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)