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角樽
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つのだる
ふりがな文庫
“
角樽
(
つのだる
)” の例文
お豊はそう云いながら、
角樽
(
つのだる
)
を取って、その口から
冷
(
ひや
)
のまま飲もうとした。深喜は近よってその手を
捉
(
とら
)
え、角樽を奪って脇へ置いた。
花も刀も
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
正面に
盛切
(
もっき
)
りの台が拭きこんであって、真白な塩がパイスケに山盛りになって、二ツ三ツの
酒樽
(
さかだる
)
と横に
角樽
(
つのだる
)
が飾ってある店だ。
旧聞日本橋:14 西洋の唐茄子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
(與助と雲哲、願哲は助十を支へてゐる。下のかたの路地口より左官屋勘太郎、三十二三歳、身綺麗にいでたち、
角樽
(
つのだる
)
と
鯣
(
するめ
)
をさげて出づ。)
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
家号
披露目
(
びろめ
)
をしてから、一日おいて自前びろめをしたのだったが、その日は二日ともマダムの常子も様子を見に来て、自分は自分で
角樽
(
つのだる
)
などを祝った。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
といいいい、これも、
怪訝
(
けげん
)
そうに、じろりじろりと
視
(
み
)
る。……お悦がその姿で、……ここらでは今でも使う——
角樽
(
つのだる
)
の、一升入を提げていたからである。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
村で酒を造るには村桶があり、また贈答用の
角樽
(
つのだる
)
もできていたようだが、いずれも
檜
(
ひのき
)
の板を曲げて
綴
(
と
)
じた曲げ物だから、そう大きな入れ物にならなかったかと思われる。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
二升入りの
角樽
(
つのだる
)
を投げだすように坊主畳の上へおくと、首すじの汗をぬぐいながら
顎十郎捕物帳:07 紙凧
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
休
(
やす
)
み弟子中へ
斷
(
ことわ
)
りて歸し
遣
(
や
)
り
再
(
ふたゝ
)
び
座敷
(
ざしき
)
へ來りしに清兵衞は五升入の
角樽
(
つのだる
)
に
鮮鯛
(
せんたひ
)
一
折
(
をり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
雪之丞が八幡宮鳥居前に待たせてあった、
角樽
(
つのだる
)
を
担
(
かつ
)
がせた供の男に案内させて、これから急ごうとするのは、縁あって、独創天心流の教授を受けた、脇田一松斎の、元
旅籠
(
はたご
)
町道場へだ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
十太夫がやり返そうとすると、おわかが小女たちと共に、
角樽
(
つのだる
)
や
片口
(
かたくち
)
や、
燗鍋
(
かんなべ
)
をかけた火鉢などを運んで来、賑やかに燗の支度を始めた。
饒舌りすぎる
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
紅屋で振舞った
昨夜
(
ゆうべ
)
の酒を、八郎が地酒だ、と
冷評
(
さま
)
したのを
口惜
(
くやし
)
がって、——地酒のしかも「
剣
(
つるぎ
)
」と銘のある
芳醇
(
ほうじゅん
)
なのを、途中で買って、それを
角樽
(
つのだる
)
で下げていたのであるから。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
本来なら、
角樽
(
つのだる
)
の一挺もさげて、まっさきにお礼にやってこなくちゃならねえところなんだが、逃げ廻るてえその了見が太いから、ひとつとっつかまえて油をしぼってやろうと思うんです。
金狼
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
來た事ゆゑ
土産
(
みやげ
)
も
持
(
もた
)
ぬとて
矢張
(
やはり
)
酒
(
さけ
)
がよし
外
(
ほか
)
の物は何を上ても其樣にお
悦
(
よろこ
)
びなされず酒さへ上ると夫は/\何よりのお悦びなり我も
同道
(
どうだう
)
せんにより夫は我等が
宜樣
(
よきやう
)
にするとて五升入の
角樽
(
つのだる
)
へ酒を入
熨斗
(
のし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「殿さまにこれ持って来ただ」とふじこが云い、三人はそれぞれ、手籠や
角樽
(
つのだる
)
や、重箱の包みをそこへ並べた。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
二升入りの大きな
角樽
(
つのだる
)
をさげニヤニヤ笑いをしながらあがって来て
顎十郎捕物帳:20 金鳳釵
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
火鉢に
燗鍋
(
かんなべ
)
、徳利に
角樽
(
つのだる
)
、それから
盃
(
さかずき
)
だけのせた
膳
(
ぜん
)
。それらを運んでいるうちに源次郎が来た。
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「晩飯を食わせるから来いというんでいったんです、ふところ都合も余りよくはねえだろうと思ってこっちは頑てきに
角樽
(
つのだる
)
を持たせていったくらいなんです、ところがあの
蒟蒻玉
(
こんにゃくだま
)
は」
評釈勘忍記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
平蔵はそれでも紋付
袴
(
はかま
)
で、一升入りの
角樽
(
つのだる
)
を二つ、酒屋の男に持たせてあらわれた。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
まもなく、あの方は
角樽
(
つのだる
)
を持って戻り、汁椀へ酒を注いで飲み始めた。
やぶからし
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
灯のはいった行燈と、
燗鍋
(
かんなべ
)
のかかった火鉢の側に
酒肴
(
しゅこう
)
の
膳
(
ぜん
)
、そして
角樽
(
つのだる
)
が置いてあった。一方の壁には、坐っていて眼の高さに小さな窓のような
枠
(
わく
)
があり、縦三寸横一尺ほどの滑り戸が付いていた。
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
角
常用漢字
小2
部首:⾓
7画
樽
漢検準1級
部首:⽊
16画
“角”で始まる語句
角
角力
角笛
角張
角帯
角屋
角々
角立
角兵衛獅子
角店